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白馬岳主稜

Date: 2001.4.19-22
Members: L.豊岡、阿部(非会員)
Area: 北ア
Type: 個人/バリ


4月18日
個人山行だというのに安藤さん、秋田さん、渡部さん、竹田さんに見送りに来ていただく。ありがとう。感謝ス。急行アルプスにて離京し、白馬駅へ。

4月19日
白馬駅で梱包し、タクシ−は使わずに歩いて二股へ向かう。二股から猿倉荘までは単調な林道を歩くだけだ。途中から雪が出てきたがきれいに除雪されている。なお、自動車はまだ入れない。猿倉荘でピッケル、毛手袋を着け、猿倉台地からほぼ東に伸びている尾根に取り付く。始め樹林帯の中の急登だが徐々に傾斜も緩くなっていき、尾根自体も広くなっていく。小ピ−クをひとつ越えると、だだっ広い台地状の所へ。ここは幕営地に最適地だと思われているが、周辺の木がほとんどすべてなぎ倒されていて、その方向がランダムであることから、ここらで起こった雪崩はすべてこの台地に収束されていると考えられるので、注意されたい。ただし、毎年ここに平気でテントを張っているのを見かける。同様に白馬尻も注意されたい。小日向のコルへは長い急登が待っている。なるべく樹林帯となっているところを選び、登りにかかる。ここは短いようで長いんだよな。傾斜も緩み平坦なところへ出てからさらにもうひとがんばりすれば、双子岩が居座っている小日向のコルへ到着。ここは幕営の最適地で白馬三山が目の前に大迫力で迫ってくる。杓子沢の雪崩の轟音を聞きながらテントを設営し、休憩。

白馬駅(6:30〜7:40)--二股(8:00〜9:55)--猿倉荘(10:10〜13:30)--小日向のコルB.C.

4月20日
夜から風が非常に強くなり、テントが風圧で狭くなってしまった。テントごと飛んでいきそうだったが、2人ともそんなのお構いなしにぐっすりお休み。朝になっても吹き止まず、停滞とする。午後からだんだんと風もおさまってきた。しかし、主稜線上を見上げるとものすごい恐ろしいことになっていそうな雰囲気であった。

4月21日
朝、まだ暗い中、アイゼン、ヘッドランプをつけ出発。いったん、白馬尻まで下るが、途中、長走沢と大雪渓を横断しなくてはならない。降雪時や雪が緩んでいるときなどは雪崩に要注意。

取り付きは白馬沢と大雪渓の出合からでどうみても間違えようがない。取り付きからいきなり広く急な斜面の登りが始まり、厳しい。ここも降雪時や雪が緩んだときには雪崩注意。急登が終わり、平坦になってきたと思ったら再び急登が始まる。このパタ−ンが何度か続き、体力を消耗させられる。斜面はクラストしているのでアイゼンを利かせながらの直登となり、足も痛い。滑ると下まで一直線、乗鞍岳東側斜面を思い出す。後ろを振り返るとかなりの高度感で下界は雲海の下だ。

この斜面を登りきったところが八峰で、ここからが主稜の本番である。これ以降、両側が切れ落ちた急峻なナイフリッジ、雪壁が続き、足元から下は何ひとつさえぎるものはなく、滑落してたまたま止まるということはまずない。六峰の下部の露岩を大雪渓側から巻き、主稜上に戻るが、このときのトラバ−スも非常に緊張する。六峰への登りは雪壁状になっており、しかも細くなっている。高度感に負けずに一歩一歩慎重に行けばよい。焦る必要はない。六峰からはこれからたどる主稜上半部が見事に見える。前を見ても、後ろを振り返っても主稜線が上下左右に激しく屈曲しながら頂上に突き上げているのがよく分かる。五峰からますます細いんだよ、これがまた。30cm〜50cmの急峻なナイフリッジが雪庇を従えて待ち受ける。白馬沢側だけでなくところどころ大雪渓側にも雪庇が見られた。

III峰からII峰への登りは正面の岩壁は直登せず、白馬沢側を巻いて雪壁を登り、やや広いピ−クへ。ここで一息入れ、70mほどの雪壁を白馬沢寄りに登っていく。なにしろ傾斜が60〜70度あるので油断ならない。今回は雪の状態が非常に良かったのでスタカットの必要性は感じなかった。頂上直下の雪庇はすでになかったので切り崩す必要もなかった。頂上稜線上に頭が出たとき、今山行の核心部を追えた満足感で包まれた。ついに主稜を撃沈。コ−スタイム7〜10時間のところを3時間弱で完登。

稜線上は風が強かったので写真をとり、白馬山荘で休むことにした。ふつうのパ−ティ−であれば大雪渓を下っておしまいなのであるが、僕らは杓子岳への登りと双子尾根の下降が待っている。杓子岳への登りでやっぱり邪魔になるのが丸山だ。一人前に雪庇なんて従えちゃって。大雪渓もさすがにデブリでお腹いっぱいになったのか3月に比べれば安定してきた。杓子の斜面は雪はほとんどついておらず、ガレの急登となっており、結構いやらしい。

杓子頂上から双子尾根への下降ル−トを探すさいのル−トファインディングに注意されたい。とくに悪天候時などは細心の注意を要する。下り始めは雪壁になっており、頂上直下5mくらいはとくに傾斜がきびしい。しかも非常に細いため、ル−トファインディングを誤って雪庇を踏み抜いてしまわないように。杓子岳の信州側は断崖絶壁となっているので踏み抜いたら生きてはいない。非常に急なので後ろ向きになって下っていく。うぐいす岩峰も後ろ向きになって杓子沢側から巻くが、非常に怖い。だんだん雪も腐り始めていたのでなおさら怖い。巻く際のトラバ−スで人為的に雪崩を誘発させてしまう危険性もかなりある。ここも主稜同様に足元から下はさえぎるものは何ひとつとしてない。ここで阿部が「僕たちってこんな危険なことしないと満足しないなんて絶対損ですよね。」とつぶやいた。そのとおり、確かにな。一瞬たりとも気が抜けん。

ジャンクションピ−クの少し上の広くなったところまでこの調子で下る。ここは杓子尾根との合流点となっており、悪天候時誘い込まれないように。ここから先さらに小さい支尾根がわかれる。第二岩峰、ゴジラの背も巻いて下り、奥双子のコルと呼ばれる小さなコルへ。ここからひと登りし、広く急な斜面を下ると樺平へ。ここは小日向のコルに次ぐ絶好の幕営地であるが双子尾根にさえぎられて白馬三山が見えない。ここが難点。ここから最後の?急登を終え、南東に伸びる尾根をくだる。ここは広くなっているので悪天候時など北東に伸びる尾根に入り込まないように。ここからはナイフリッジ状の細い尾根を忠実にたどっていく。途中、地図には載っていないが、小ピ−クへの登りがいくつか待ち受ける。たいしたことはないが、疲れていると急登に思えるかもしれない。もちろん、スリップ、滑落に注意。双子岩と再開したところがB.C.だ。

B.C.(4:20〜5:25)--主稜取り付き(5:25〜6:37)八峰(6:37〜7:50)--六峰(7:50〜8:17)--五峰(8:17〜8:42)--四峰(8:42〜9:20)二峰(9:20〜9:45)--白馬岳(9:47〜11:11)--杓子岳(11:11〜12:38)--樺平(12:43〜13:10)

4月22日
入山日のル−トを逆にたどり、2人とも元気に下山。

B.C.(5:38〜7:51)--二股(8:10〜9:05)