立山・剱
Date: 2001.8.11-14 (前夜発)
Members: L.鳥垣、吉田(法)
Area: 北ア
Type: 合宿/一般
10日夜、急行能登で出発。上野駅ホームに集合、万太郎谷Pと田名部さん・通孝さんが見送ってくれた。どうもありがとうございました。ツマミを差し入れていただきましたが、座席指定は別車両だったので車中では開けず、雷鳥沢での二人の初夜の肴に致しました。
明けて 11日早朝、富山駅着。駅構内は駅寝する山ヤでいっぱい。天気は小雨。マス寿し弁当を仕入れ、空いている富山地方鉄道(地鉄)の車中で食す。うまいが、一人前にしちゃちょっと量が多い。二人で一つが適当。
地鉄終点の立山駅からはバス。雨が若干強くなったようだ。地鉄の切符は室堂まで直通のものだが、ザックが 10kg 以上で手回り料金を 300円、さらに有料道路料金を
200円追加で徴収され、なんとなく損した気分になる。バスが弥陀ヶ原を過ぎると次第に雲が切れてきて、大きな立山連峰が目前に広がった。乗客から歓声があがるが、鳥垣姐さん(以下姐さん)は爆睡中だ。
室堂に 9:05着。早速準備を始める。トイレに行って帰ってくると、姐さんは肌も露わなタンクトップ姿に変身。男ドモの視線を釘付けだー。行動中、姐さんの周りでは、注意力が散漫になった男ドモによる落石が絶えなかった(嘘度 85%)。
室堂からは立山も非常に近く見えて、とりあえず浄土山〜龍王岳〜一ノ越と歩いてみるが、雲は多かったものの次第に切れて、陽が出て暑い。北を見れば黒々とした剱が見えて、爽快な気分になる。一ノ越山荘で休んでから立山三山にとりかかる。さすがに人が多くて、スピードが落ちる。が、後ろから姐さんがプレッシャーをかけるので、おばちゃん連中やジャリどもを蹴散らしながら雄山の頂上へ駆け上がる。
山頂で御祓いをしてもらって御神酒を頂いたら、そそくさと縦走路に戻る。観光客もいなくなって良いが、この辺から雲行きが怪しくなり、たまに雨がパラつく。
次は大汝山。本山行最高峰の3015m。しかしガスが濃くなり眺望無し。富士ノ折立は縦走路から外れており、相変わらずガスが濃いのでスルー。あとは真砂沢岳手前で西に折れ、大走りを下って雷鳥沢キャンプ場へ向かう。
14:05、キャンプ場着。テントを張ってから風呂へ向かう。キャンプ場受付嬢に聞くと、風呂はロッジ立山(500円)と雷鳥沢ヒュッテ(400円)にあるそうだが、L.の判断により綺麗だというロッジ立山へ。風呂には石鹸しかないが、入浴客も少なく清潔感のある気持ちの良いお湯だった。思ったほど硫黄臭も強く無い。湯上りにロビーでビールを飲みながら、ダラダラと山の話をしていたら15:45。慌ててテントに戻ってラジオをつけた。出発前から高気圧に囲まれ進退窮まっていた停滞前線は、そのまま動かず文字通り停滞中らしい。
晩飯は、具沢山スープとマッシュポテト。前者は非常に美味かったが、後者はイマイチだった。梅酒・ウィスキーなどを軽く飲んで 20:30 頃就寝。
室堂(9:25)-展望台(10:10)-浄土山(10:40)-龍王岳(10:50)-一ノ越(11:05)-
-雄山(12:00)-富士ノ折立下(13:00)-雷鳥沢(14:05)
12日朝 3:30 起床。ラーメン。霧が濃く、星も見えない。テントはそのままにして、空身で大日岳方面へ向かう。ヘッドランプを付けて新室堂乗越へ登っていくが、夜露でズボンがビショビショ。雨具を着て歩く。明るくなっても霧は濃いままで、時折雨も降ってくる。本来なら右手に大きな剱岳が見られるのだろうが、それも霧の中。リベンジ山行を誓う。休んでも景色が見えなきゃツマラナイので、奥大日岳〜中大日岳〜大日岳とスタスタ歩いてしまう。大日岳7:00着。帰りは更に天候悪化。雨が強くなってフードを被って歩く。楽しくない。視界内の花だけを愛でながら、黙々と往路を戻る。
新室堂乗越を下ると曇天ながらも雨は上がっていた。テン場に戻り、お茶を沸かしたりして、のんびり撤収準備。荷物をまとめたら、雷鳥坂を登る。下から見ても急坂だが、実際キツイ。なんとか別山乗越を越えて、剱沢へと降りていく。すぐに剱沢キャンプ場が見えたが、テントでいっぱいだ。良好なテントサイトをゲットすべく、姐さんに急かされて下っていく。テントを張りそうな集団をバンバン追い越して、キャンプ場に
12:20 着。
なかなかグッドなサイトを見つけた。大きな石が頭を出していたが、二人でなんとか除去。天候もたまに陽が射すぐらいに回復。剱本峰はガスで見えないが、前剱までなら見える。テントを立て、濡れたものを干す。幕営の受付を済ませて、ビールを呷ったりする。明日の天気が気になるけど、とりあえず前剱を肴にビールを飲める幸せに酔う。山ヤの幸せなんて安いものだ。
暇になり、明日のルートの下見を兼ねてフラフラと散歩。キャンプ場受付の前で明朝通る雪渓や剣山荘を見ていたら、登攀を終えた二人組みがこちらに登ってくる。姐さんが後ろの人を指して「豊岡君じゃない?」と言い出す。近づいてみたら果たして豊岡君本人であり、偶然奇遇に双方ビックリ。いやー、こんなこともあるもんですな。悪いことはできません。
テントに戻り、天図を採ってみると、前線は遠ざかっているものの、大局的
には相変わらずだ。明日も早出がいいだろう、などと話しながら晩飯を作る。
食後、豊岡君が訪ねてきてくれて、一緒にお茶を飲んだ。八つ峰とか源次郎
尾根とか行ってきたそうな。すごいなー。「八ツ峰は一回行ってみるといいですよ」と言われた。うーむ。
聞けば豊岡君達は非常に貧しい食生活を送っているようだったので、スープとキウィを恵んであげた。豊岡君が帰っていくと、もうすることも無いので酒を飲みだす。明日の打ち上げ兼チカさん誕生祝いの分を残して、ウィスキーも梅酒も飲み干し、日本酒も半分だけ飲んで就寝。
雷鳥沢キャンプ場(4:20)-新室堂乗越(4:40)-奥大日岳(5:40)-大日岳(7:00)-
-奥大日岳(8:40)-新室堂乗越(9:35)-雷鳥沢キャンプ場(9:55/10:55)-剱沢キャンプ場(12:20)
13日朝 3:00 起床。星も見える。渋滞が始まる前に登ってしまおう。朝食は雑煮。テントはそのまま。準備をして
3:50 出発。山腹にはちらほらヘッドランプの灯りが見える。まずは剣山荘を目指して歩き、雪渓を渡る。剣山荘から人が出始めた頃らしく、一服剱までの間に相当な人数をゴボウ抜き。陽が登るにつれて霧が晴れてくる。前剱直下の鎖場で休憩。前剱山頂ではブロッケン現象が見られた。その後は人もマバラになり、タテバイを登り、早月尾根分岐で息を整え、剱山頂へ。6:30
着。
10人くらい人がいたが、姐さんは女性一番乗りのようで歓迎された。2000m ぐらいの高さに見渡す限り雲海がひろがり、北アルプスはもとより、八ヶ岳や南アルプス、果ては富士山までも眺望が効いている。しかも時間が経つにつれて雲が取れていくので、絶景を前に二人とも「すごい」「きれい」を連発し、思う存分展望を楽しんでいると、お約束のように傍にいたオジサンに「俺もこういう彼女がほしいなぁ」と言われて、説明するのが面倒臭いなぁとか思っていたら、姐さんが「これには海より深い訳があるのです」と軽くあしらっていた。携帯が通じるので、姐さんが橋口さんに電話をし、予定通り真砂沢集中の旨を留守電に入れた(この時まだ二人は何も知らなかったのである)。
後ろ髪を引かれつつ、混んできた山頂を後にする。途中振り返ると、タテバイの下にズラーっと人が並んでいる。アレに巻き込まれなくて良かった。サクっと下って剣山荘で休憩。稜線の緑と青空の接線の辺りがなんとも綺麗。まさに夏山。
テントに戻り、コーヒーを沸かしたりして完璧な晴天に恵まれた剱の思い出に浸る。一息ついたら、またまたのんびり撤収。今度は真砂沢に移動だ。剱沢小屋前から
30分ほど下ったら、軽アイゼンを付けて雪渓に乗る。雪渓の表面はシャーベット状になっており、傾斜も緩いので、かえって陸道よりも快適に下ることができた。30分ほど歩いたら一度登山道へ上がり、その後再度ちょろっと雪渓を歩いたら真砂沢キャンプ場。12:20
着。
あまり良いサイトが取れなかったが、とりあえず傍に橋口Pの場所も抑えてテントを立てる。で、当然ビール。テントサイトは雪渓のすぐ脇、ってゆーか隣なので、吹き降ろしてくる風がめちゃ冷たい。ビールを飲んだら体が冷えてきたので、二人ともテントの中で橋口Pの到着を待った。
しかし、待てども待てども待てども待てども橋口Pは来ない。5分と言わず 3分おきぐらいにテントから顔だけ出して雪渓を見上げる。八つ峰の南端の影から人が出てくるたびに「人だ!」と盛り上がる。3人パーティーだったりすると、「あの歩き方は橋口さんっぽい」「あの背の大きいのが秋田君かしら」「チカさんのズボンは明るいグレーだったっすー」とか言いながら雪渓上方を二人でヤブにらみ。でも毎回期待は裏切られた。することもないので、真砂沢ロッジでコップ酒を買ってきて燗して飲むが、30分も間が持たない。猛烈な暇暇暇暇状態で、しりとりまで始める始末。その間も雪渓の見張りは怠らなかったが、酒も入ったせいか、二人とも幻覚症状が出始めた。人じゃないのに人が歩いているように見え、2人なのに3人に見えるようになった。イカンイカンと天図を採るためにラジオをスイッチを入れると、「酒と泪と男と女」が聞こえてきて一層寂しさが募る。はぁー。
橋口Pが到着しないのに時間は規則的に過ぎていき、辺りも暗くなってきたので晩飯を作り始める。姐さんによれば「北岳の例もあるし、遅くなるかもしれないと連絡は受けているから」とのこと。でもやっぱり二人とも心配顔。食っている間も監視の目は緩まない。雪渓を降りてくる人がヘッドランプを付けるようになってからも、期待の目を向けていた。お祝い用のマンゴープリンも作って待つ。いつでも来い。真っ暗になってから一度3人パーティが降りてきたときは、「すわ、橋口Pか?!」と二人の期待も最高潮に達したが、あえなく散って、また二人でうつむく。20:30
を過ぎても降りてこないので、今日は何らかの事情で熊の岩に停滞なのだろうと思い、お祝い用のマンゴープリンと発泡吟醸酒を除いて、他の日本酒と肴を片付ける。
剱沢キャンプ場(3:50)-剣山荘(4:20)-前剱(5:00)-剱山頂(6:30/7:15)-
-前剱(8:15)-剣山荘(9:05)-剱沢キャンプ場(9:40/11:00)-真砂沢キャンプ場(12:20)
14日朝、何時に起きたか覚えていない。快晴。朝食を終えても橋口Pは降りてこない。仕方なく意味を失ったマンゴープリンを二人で平らげ、発泡吟醸酒もパッキングする。7:00
頃3人パーティが見えて、時間的にも丁度だしアレが橋口Pだろうと思ったら、また違った。ついに我々は待つのに疲れて、先に起つことにした。心の中には中島みゆきの「遍路」が流れていた。
はじめて私に 昔は忘れろと言った人は
今度は彼の人違い あまりに誰かを待ちすぎたあげくに
もう幾つ目の 遠回り道 行き止まり道
手にさげた鈴の音は 帰ろうと言う 急ごうと言う
7:05 出発。剱沢を渡るときに雪渓の上をちょっと歩いて、ハシゴ谷乗越へ登る。これがけっこう厳しい。あとは帰るだけと思っていたから、余計に厳しい。峠で姐さんが携帯で連絡を試みるも電波届かず。乗越からの下りは巨岩が転がるゴーロ帯。内蔵助平で休憩。その後、内蔵助谷に沿って下るが、これまた大変な道。直射日光を浴びつつ、岩を越え、半分崩れた道をへつり、徐々に高度を下げていく。
黒部川本流に出合ったあたりの景観は見事! 見上げる岩壁は大きく圧倒される。秋の紅葉はさぞかし素晴らしいだろうとか話しながら、黒部ダムに向かって歩き出す。黒部川沿いは道幅も広く歩きやすい。放水中のダムは大迫力。その前の丸木橋で対岸に渡るときは怖いぐらいだった。最後、ダム湖面まで登る前に一本休憩。ヒィヒィ言いながら登って、黒部ダム駅到着。お疲れ様でした。
トロリーバスの駅に着くと、すぐにバスが出るというので、黒部湖も拝まずにバスに乗る。扇沢に着いて、留守電を聞いたり在京・会員に連絡して、なんとなく状況が分かった。ひとまず安心して、今度はアルピコのバスに乗り、薬師の湯へ。姐さん絶賛の風呂だが、その評価通りに湯も設備も立地的条件も申し分無し。湯から上がって缶ビールを飲んでいたら、姐さんはコップに入った生ビールを買ってきた。くそぉ失敗した。その後バス停の近くの食堂で二人で乾杯。生中とソースカツ定食。飲んでばっかりだな。
信濃大町駅までタクシーで移動し、15:29 のスーパーあずさを狙う。やっぱり指定席は一杯なので、二人で二両の自由席車両を分担して乗車し、喫煙席車両に二人分の座席を確保できた。これで松本始発に乗り換えなくても帰京できる。これまで持ち歩いた発泡吟醸酒を開け、野沢菜を肴に飲みだす。スーパーあずさは早い。寝る暇も無く八王子に到着。ここで解散。本当にお疲れ様でした。
真砂沢キャンプ場(7:05)-ハシゴ谷乗越(8:15)-内蔵助平(9:10)-
-黒部川出合近辺(10:15)-黒部ダム下(11:20)-黒部ダム駅(12:00)
感想・反省
- 吉田(法)
- 大日岳の日は天気が冴えなかったが、剱の日に晴れたので、本山行の目的は充分に果たせたと思う。ただ一点、橋口Pと集中できなかったのが残念。次回は皆でドンちゃんやりましょう。最後に鳥垣さんには大変お世話になりました。テキパキと判断して進む姿勢は見習いたいと思います。ありがとうございました。
- 鳥垣
- 今回は空荷での歩行が多く、予想以上に早く歩ききってしまった。当初天気がとても心配でしたが、ラッキーなことに、一番焦がれた山を快適に登れて、しかも頂上にはさほど人がいなく、絶景が待っていてくれたので、満足度は高い。今回頂上では、最初は雲があったが時間を追うごとに雲が切れていく感動を存分に味わった。気が付いたら頂上に45分もいた。
この山域は初めてだったが、バスをおりるなり、アルペンな世界が広がっていてこれまで樹林帯をエッチラオッチラ登らないとこういう景色には会えないと信じていた私にはカルチャーショックだった。
反省としては、食当で、吉田法くんを実験台にしては、会社でもらってきたあやしげな食べ物をいろいろ作って不快な思いをさせてしまった。(おかげで食費は安上がりだったけど)今回はおいしかったものとおいしくなかったものの落差がはげしすぎた。吉法くんの反応が正直で、とても参考になった。吉法くんのキャラはなかなか味がある。
また、ゴミの多い山行になってしまった。夏だから、ちゃんとゴミの処理をしなければならなかったのに、テキトーにしてたら、最終日、あれ?っと思うほどゴミがあった。始末をちゃんとしなければ。
あとは、剣は私には高度感がとてもあって怖かったし、リーダーのプレッシャーもあって、ついつい鎖に頼って歩いてしまった。本当はもう少し岩にしがみつかなくてはならなかったのだろうが・・・。
あとは、やはり橋口pと合流できなかったのが残念だった。いつまで待てば、どうすればと思ったが、谷底で携帯もつながらず、ともかく携帯のつながるところまで早く・・・というのが結果オーライではあったが、心残りだ。