- 5/2
- 黒部湖(8:10)-丸山東壁(9:25)-内蔵助平(10:30)-ハシゴ谷乗越(12:00)-真砂沢(13:00)
- 5/3
- 真砂沢(4:20)-I-II峰間ルンゼ入り口(5:20)-I-IIのコル(8:00)-V-VIのコル(11:30)-八つ峰の頭(15:05)-池ノ谷乗越(16:00)
- 5/4
- 停滞
- 5/5
- 池ノ谷乗越(9:50)-剣岳(10:30)-剣沢小屋(13:00)
- 5/6
- 剣沢小屋(4:50)-剣御前小屋(5:20)-室堂(7:05)
感想
- 橋口
- 一番の目標だった剣尾根が登れず大変残念で、消化不良気味だ。全体と通して考えると天気も良かったのだが、巡り合わせが悪かったのだろう。来年は絶対行くぞ(そうだよね秋田君)。八ツ峰は重たい荷物を背負って縦走したこともありそれ自体は意義のあるものであった。年によって雪の付き方が異なり、前回とは異なる表情をしてた。沈殿慰安用品を持っていかなかったことが、反省点だ。
- 吉田(法)
- 黒部湖/ダム駅の脇、遠い落石の音とトイレの香りに慣れたころ夜が明け、ついに春合宿初日の朝。また始まっちまったぜ。昨年末冬合宿初日の朝と同じような武者震い。橋口さんと合流し、急斜面を黒部川へと降りていく。
去年の夏、鳥垣さんと歩いたときとは景色が全然違う。夏は藪だらけだった内蔵助平は、内蔵助カールから広がった扇状の雪原で、とても気持ちがいい。集中場所の候補にあがるのも分かる。次はハシゴ谷乗越へ向かって登る。ここも夏は沢沿いの歩きにくい巨岩ごろごろゴーロ帯だったけど、今なら峠に向かって一直線。晴天に恵まれ意気揚々と真砂沢に到着。幕営。
そして翌日は八ツ峰だ。今日も晴れたぜベイベー。全装背負って I-II 峰間ルンゼを這い上がる。きちー。ところどころにクレパスが開いていて緊張。一箇所ヤバめなところでロープを出した。シュルンドの中でもがく。せまいー。
稜線に上がってからは、雪壁登ル〜リッジ歩ク〜懸垂スルの繰り返し。何やってんだろ俺。でもけっこう楽しかったりもする。V-VI のコルで会ったガイド手伝いの現役学生さんに「大学山岳部ですか」と言われたときは、ビールをおごりたくなった。その後
VI 峰で会った人(遠峰山岳会)も、帰京後に「稜線で見た時は大学山岳部の方かと思いました」(原文のまま)とメールをくれたのだ。うふふのふ。
VI 峰付近では天気が良すぎて、雪がグサグサ。雪庇の上とか狭いリッジを歩くのは非常に心臓に悪い。でも、遠くの槍やほんの数日前に登った白馬を、懸垂の順番を待ちながら眺めているととても充実した気持ちが沸いてきて、ひとりでニヤニヤしてみたりもする。
この日、八ツ峰に入ったのは全部で3パーティ。皆で池ノ谷乗越にお泊り。そして夜中からドシャ降り。あーあ。文字通りバケツをひっくり返したような降り方で、すごい。ってゆーか降りすぎ。停滞は暇だ。無線交信と晩飯しか楽しみがない。せっかくなんだから「山とはなんぞや?」とか「憲法改正の是非」とか「カモ狩り大作戦」とか話せば良かった。
明日は予定を変更してチンネに行こうと決まり、シュラフにもぐりこんだら、パタっと雨が止んだ。おー。でも朝になったらまた雨だった。ぶー。チンネも諦めて、グズグズ寝たり起きたりして、雨脚が弱まったところで出発。剱山頂はガスの中。下りで僕がルートを間違えてタテバイを下降。怖かった。間違いなく今回の核心部。パンプしそうになった。懸垂すりゃ良かったかも。
前剱のころには雲も取れ、黒々とした剱がどーんと大きく見える。途中で吉沢さんと板倉さんに会った。二人が山頂に着くころには素晴らしい展望に違いない。剣山荘まではスルスル下れたけど、剣沢キャンプ場の直前の登りがきつい。八ツ峰に比べたら屁でも無いのかもしれないが精神的に厳しい。
吉沢さんのスノーバーを見つけて隣にテントを張る。鈴木さん・田中(秀)さんも到着。暮れ時にアッコさん・吉川さんも到着。みんな重い酒を持ってきてくれた。ぃやっほ〜い。板倉さんの誕生日を祝い、ほろ酔い気分で最後のシュラフにもぐり込む。
翌朝も晴天。室堂の始発に間に合い、よくもまぁ掘ったものだとあきれ返ってしまうアルペンルートで下山。温泉郷で風呂に浸かり、大町の「やまや」という食堂で飯を食い、橋口
P と吉川さんは中央線で帰京。松本で始発のあずさを待っていたら、OB の柿沼さんに会った。一人で白馬に登ってきた帰りとのこと。室堂からロープウェイで下山と言ったら「軟弱者!」と怒られた。でもビールを差し入れていただきました。ゴチっす。
こうして春合宿も無事終わった。冬の黄蓮谷と同様、メインディッシュはお預けとなってしまったが、八ツ峰を登れたので満足度は高い。停滞日以外は天気も良かったし。そして毎度毎度のことながら、橋口さんと秋田君には大変お世話になりました。ありがとうございました。
- 秋田
- 5/2
黒部湖のトイレに靴をデポ。帰るときにのこっていますように。橋口さんと合流。毎度おなじみのトリオ。豊岡、吉田、秋田パーティーは気ごごろが知れていていいが、今回のトリオは九十九史上最高のパーティーだと思う。でもまたこの三人で危険なところに踏み込んでしまうのだなあ。不安で一杯にもなる。畜生、やってやろうじゃないか。来やがれ剣め。
そんなわけで今日も行く。アプローチのみだからいくぶん気が楽だと思っていた。しかし、そんなに甘くはない。橋口さんがおっしゃるには今年は雪が少ない。すなわち、非常に歩きづらい。俺は度々薄くなった雪を踏み抜いてしまう。踏み抜いて分かるが、底のない、かなり薄い雪の上にいたらしい。これは怖かった。
さて、昨日までとは一転、天気はとてもいい。暑すぎるぞ。結構うんざり。
途中、丸山東壁を見る。いつかは俺だって。
内蔵助平は静かで広くていい所。落ち着く。ハシゴ谷乗越まではきつかった。でもそこで八ツ峰を見ることができた。あそこを登るのか。よし。ここから先、シリセードで適当に下る。怖かった。真砂沢ではテントの外に出てのんびり。いい気分。ただ、キャンプ場としてはあまりいい場所とは思えない。橋口さんの用意してくれたデザートのゼリーがとてもおいしかった。
5/3
いよいよ憧れの八ツ峰。天気はいい。俺は気合が入る。I-II峰間ルンゼ入り口まではかったるい登りで疲れるが、気力がみなぎるのを感じることができた。いよいよ取り付く。急傾斜。クレバスが所々にあり、恐ろしい。そして、難しいポイントに出る。ザイルを出す。狭い。苦しい。怖い。I-IIのコルに出たときは、いよいよこれからというのにもかかわらずホッとしてしまった。さて、いよいよ。ここまでで結構時間をくってしまい、暖かくなったため、雪が緩み出す。白馬の時もそうだがこれにも参らされる。いい眺め。所々非常に細いリッジが現れる。両側ともスパッと遥か下方まで切れていて、怖い。
慎重に歩く。ピークにつくごとに、懸垂下降するが、どうも上手に降りられない。僕は度々器用にもクレバスの中に落ちた。こんな具合でしばらく突き進む。
吉田さんの感想は不適切である。5・6のコルへ懸垂下降してしばらくその手伝い学生さんと話したのは僕だし、実際誰が学生かと直接聞いたら僕が指された。橋口さんも吉田さんも勘違いをしてはならない。二人とも現役学生ではなく、監督かOBに見られただけだ。ともあれ、僕と一緒に山に行くと学生パーティーと間違われるから若返った気分になれるかも。
さらに行く。トレースがあるのはいいが、緩みきり腐った雪は登りづらく、また、クレバスに落ちそうで怖い恐ろしい足がすくむビビルまったく怖い。遠くで雪崩の音が聞こえる。雪崩、恐るべし。やがて八つ峰の頭に。充実感よりも安堵感が勝る。しばらく放心状態になってみる。
八つ峰はいいルートだった。池ノ谷乗越まで下降。橋口さん吉田さんはさっさと下るが僕は懸垂下降で降りたかった。ノーザイルでクライムダウンは恐ろしい。怖いことばかり。T.S.着。雪を削りまくり整地する。かなり時間をかけたが出来映えはあまり良くなかった。それにしても疲れた。翌日の剣尾根も不安であり、疲労の極みだった。僕の頭の中は悪いイメージが充満していた。夜雨が降り出す。FUCK!
5/4
FUCK! 雨だ。三人とも死んだフリをしてなかなか起きなかった。
停滞。
暇。暇。
会話も少ない。風も強い。度々橋口さんがテントのフライを張りなおしてくれる。ありがとうございます。このトリオもいよいよネタ切れ。カモ等、イヤらしい会話を一しきりするが直に途絶える。みんなこの時間をどう感じていたのかな。僕は、剣尾根に行けなかったのはまったくくそったれなことだと感じたが、少しホッとしたのも事実だなあ。来年は行く。ねえ吉田さん。橋口Pで。
テントに浸水した水の処理がかったるい。僕は無線交信を楽しみにし、時間が経つのを待つ。暇で不安で落ち着かない。明日はチンネ左稜線。よし。でもあまりいいイメージの沸かないまま寝る。暗い想像ばかりしてしまう。
5/5
まったくクソッタレである。雨だ。また三人で死んだフリをして起きない。さらばチンネよ。いつか行ってやるからな。そんなわけで無線交信をまち、以後の行程を決める。剣へ。かったるい。剣沢へ。一箇所鎖場でとても怖いところがある。ここもやはり懸垂下降したかった。年配の方とすれ違うがみんな大丈夫かなあ。吉澤さん、板倉さんとすれ違う。山での再会はうれしいなあ。なおも剣沢へ突き進む。下りは怖くてたるい。うーん。なかなか進めない。ようやくT.S.着。ホッとするなあ。
僕はずぶぬれになったシュラフ等を乾す。そうしたら剣沢にいたみんなが僕らの真似をしだして、至るところにシュラフが広げられる。僕らは流行を作り出してしまった。シュラフがそこら中に広げられた様はなかなか圧巻。そして吉澤P、鈴木P、河井Pと合流。妙にうれしい。でも僕は集中には徹底的に反対である。以後こんな妙な恒例はなくして欲しいと思っている。FUCKである。集中は俺は大嫌い。俺は一匹狼でもカラスでもアウトローでもなんでもいいが集中大反対を声を特大にして訴える!僕が集中大反対の理由は吉田さんに話した。少しすっきりした。吉田さんを困らせただけだが。集中自体は楽しかった。板倉さんおめでとうございます。あなたは僕から遠くに行ってしまった。
5/6
朝、僕は寝坊助であろう他Pを起こしてまわる。今日はいい天気だ。剣に見とれる。そして、空が綺麗だった。僕は山の朝の空が大好き。なんて綺麗なんだろう。度々空を見て室堂を目指す。明るくなりきると空の魅力はなくなった。室堂まで、ここが室堂に違いないと思ったところが実はただの通り道であったことが度々あり、げんなり。うーん。疲れた。いよいよ合宿も終わり。さらば剣よ。ん、アルペンルート。高価だし、混雑しているし、全くうざい。かつてのドラマには胸を熱くさせられるが、利用しなければならないとなるとただのうざい存在。また、黒部湖のトイレに僕の靴がなかったことに消沈。
大町の温泉はとても良かった。
帰り、橋口Pと吉川さんと帰る。僕はうれしくなった。吉川さんはとてつもなく大きい可能性を秘めている。素敵だ。停滞の時に一人吉川さんがいると僕は停滞も楽しめる。竹内さんやメグメグ以上に貴重な存在ではなかろうか。「私なら落ちる」
第一部完
まだまだつづく
|
丸山東壁を見上げる
真砂沢のキャンプ
I-II峰間ルンゼを上がる
稜線に出て剱を望む
V峰の懸垂待ち
剱山頂はガスの中
板倉さんと誕生ケーキ
|