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甲府幕岩

Date: 2002.11.2-3
Members: L.吉田(法)、秋田、遠藤
Area: 奥秩父
Type: 個人/フリー

11月1日(金)
新宿西口スバルビル前集合。22:30出発。 何度か迷って 25:30 頃に甲府幕岩駐車場に到着。 テント設営後、しばらく飲んでから就寝。

11月2日(土)
快晴 7:30 起床。素晴らしい天気。テントはそのままにして岩場へ移動。快適なク ライミングを楽しむ。

・イエローマウンテン 5.9 三人でウォーミングアップで登る。
秋田:感想参照
吉田(法):それほど自分に進歩が感じられなかった。
遠藤:なんとか
・ダダ 5.10b/c
秋田:感想参照
吉田(法):今回はコレを落とそうと頑張ったが結局ダメ。上部に行くまでに疲れてしまう。次は落とそう。
遠藤:断念
・サイコモーター 5.11a/b 事故詳細参照
秋田:感想参照
・ナベちゃん 5.8 遠藤君のリード初挑戦。オンサイトに成功。
遠藤:リード
・ペンタゴン 5.9
遠藤:トップでズル
吉田(法):気軽に取り付いたら油断して1テン。あらら。
・ジューンブライド 5.11b ルートが長く、落ちると結構フォールするので、トポ通りアプローチの終了点でピッチを切ってビレイすれば良かった(吉田(法))
秋田:感想参照
・アプローチ 5.7
遠藤:リード

薄暗くなり撤収。この時点で秋田君の足はやや痛そう。ヘッドランプを付けて 駐車場に戻る。テントは置き去りにして、板倉さんを迎えに甲府駅へ向かう。 駅で秋田君が車を降りて板倉さんを迎えに行く。合流後ファミレスで食事をし て、甲府幕岩駐車場に戻る。 駐車場に着いて車を降りるときから秋田君が足の痛みがひどくなっているよう だ。テントでしばらく飲んでから就寝。

11月3日(日)
快晴 起床後、秋田君の足の具合はひどくなっているようだったので、テント撤収後 すぐに下山。塩川ダム駐在所で病院を聞き、塩川病院へ。日曜のため当番の内 科の医者しかいないとのことだが診てもらう。東京の医者に診てもらったほう が良いとのことなので4人で帰京。遠藤君を新宿で降ろし、秋田君を家まで届 、五反田駅でレンタカーを返して帰る。

事故詳細

サイコモーターは、地上 1.5m ほどの高さのルーフの出口から始まる 5.11b/c のルート。出口にボルトがあり、その左上 30cm ほどのところにハンドホール ド(左手)と、ボルト右 50cm ほどのところにフットホールド(右足)がある。左 腕と右足かかとで体を持ち上げ、右手で次のホールドを取りに行くようだ。

13:00頃、秋田君リード(吉田(法)ビレイ)で取り付いた。二度目の挑戦で、秋 田君が体を持ち上げようとしたところ、「膝で変な音がした」と言って降りた。 降りた後もかなり痛そうでアイシングする。

その後、秋田君は回復したようでジューンブライドに挑戦していたが、山行記 録にあるように、夜には痛みがひどくなった。

感想

遠藤
親指の巻き爪を直してまた岩登りをしたい。

秋田
11/1
向かう。
でもなかなか到着しない。まずは道を間違える。白州の方へ進んでしまった。わから ないわからない。全く不親切な道路だ。
戻る。
えっちらおっちら。
で、ようやく甲府幕岩への入り口となる比志の看板を見つける。 ここからもとても苦労する。
ダート。
お化け屋敷。
鹿。
猫。(ん、猫?)
特にダートは厳しい。
ガリガリガリッ。バコッ。あーあ。
とても遠くに感じる。
とても疲れる。
早く着け。早く着け。
やがて駐車場に。だーれもいないぜイェー。
昨年は到着が遅かったにもかかわらず騒々しく酒を飲み、怒られた。
今回は心置きなく。飲みすぎた。俺だけ。なんだよ、吉田さんも遠藤さんももっと飲 めよ。

11/2
飲みすぎたらしい。気持ち悪い。ファック。うーきーもーちーわーるーいー。
それに寒い。でも天気は最高。こうでなくちゃ。気持ち悪い。
飯を食う。クライミングの前にはしっかり食べとかないと。気持ち悪い。
俺は入念にストレッチをする。なにしろ俺には狙っているルートがある。気持ち悪 い。
テーピングをしっかり巻く。なにしろ俺には狙っているルートがある。気持ち悪い。
アプローチはとても短く、岩場まですぐだ。うぅ気持ち悪い。
豊饒の森に着く。とても気持ちのいいところ。気持ち悪い。

(1) 「イエローマウンテン」から。去年はとても手ごたえを感じたルートだ。 ヌンチャクが8本も必要で長めのルートという印象があったのだが、今見るとたいし て長くない。ボルトとボルトの感覚がとても短い。だから初めてリードするには便利 なルートかもしれない。 二日酔いを忘れて気持ちよく登るが、岩が冷たく指が痛い。でも、簡単簡単。 昨年はとてもいいルートと感じたが、実はたいしたことないのではないか。俺も1年 でずいぶんと生意気になったもんだ。 うぅ気持ち悪い。寒い。

次は、(2) 「ダダ」。吉田さんが次にこれをやるというのでヌンチャクをかけに登る。 岩には5.10cと赤ペイントで書いてあるが、トポは5.10bだ。アップだし、テンション かけまくってもいいやあと考えてやってみる。さすがに一筋縄ではいかない。 でもオンサイトしてしまった。5.10cだったらちょっとうれしい。 まだ気持ち悪い。

「サイコモーター」「サイコモーター」と連呼している3人グループがいる。 一体なんなのだろう。彼らの息はピッタリで、「サイコモーター」 「サイコモーター」と繰り返す。なにやら楽しそうだ。 で、そのうちの一人が「サイコモーター」に挑戦している。サイコモーター。
核心が出だしのハング越えというのが一目でわかるルート。俺は本当は別に目的の ルートがあったのだが、やおらこちらに挑戦したくなる。サイコモーター。
というわけで (3) 「サイコモーター」だ。ムーブが読める。まるで人口壁のようだ。 しかも俺の得意とするところのムーブ。こいつはヒールフックからの乗り込みに違い ない。
いけると思った。サイコモーター。
ウオリャッ、と登りだすが、そんなに甘くはない。 1回目は失敗。俺の体は早くも悲鳴をあげる。もともと痛めていた右手首がとても痛 む。ビシバシくる。畜生メ。かまうものか。右手首など。かまうものか。俺は目的の 「ジューンブライド」のことなどすっかり忘れてこのイカレポンチを蹴っ飛ばしてや ることに決めてしまった。あーあ。
2回目。手の場所を変える。やはりヒールフックだろう。がっちり決める。そして乗 り込もうとしたら「パキッ」という音が聞こえた。サイコモーター。
激痛。落ちる。どうやら右足をロックした状態で足に変な力を加えてしまったらし い。
ファック。サイコモーター。
ちょっとやばそうなので足を冷やす。全くファックだ。
サイコモーター。

吉田さんや遠藤さんが登るの見たりビレイしたり、例の「サイコモーター」を見たり でボーっと過ごし、頭を冷やす。みんながうらやましい。
しかし馬鹿につける薬はない。あ、アルコールによる浄化があるじゃないか。赤ワイ ン。足の具合がそれほど悪くないことに気付く。こいつはひょっとしたらまだ登れる のではないか。考え始めたらもう俺はとまらない。もう俺の (4) 「ジューンブライド」 を迎えに行くしかない。さすがに「サイコモーター」は今回は止めておこう。 それくらいの判断はできるらしい。サイコモーター。
ロープの流れが悪そうなので、下部の「アプローチ」ではプロテクションはいくつか 端折り、60cmスリングのヌンチャクを3本使うことにする。 下部を終え、いよいよ「ジューンブライド」に。
いよいよ。
俺はとても緊張する。 足の具合は別に問題ない。
核心部。ホールドが甘い。スタンスもよくない。スタンスをいろいろと試すうちに手 の方が厳しくなってきたので、デッドポイントを飛ばすことに。最後のプロテクショ ンの位置は気にしない。右手をかかりのよさそうなところに飛ばすが、甘い、ファッ ク。 フォール。
あー、くそっ。
あれ、結構落ちるな。
ん、またビレイヤーの吉田さんをふっ飛ばしてしまったかな。
と、これくらい冷静に考えられる時間俺は落ちた。フリーのフォールではこれまでで 一番長かったかも。
その後、何度も何度も試すが次のヌンチャクまで進むことができない。パワーが尽き たと感じたところでとりあえず止めにする。
でもヌンチャクは残したまま。当たり前だろう。

サイコモーター。

なんか重い。回収がかったるい。うーん。登れなかったらやはり「HIVE」から 振り子だよなあ。
畜生。気合を入れる。畜生。何でもきやがれ。「ジューンブライド」メ。
「アプローチ」を登り終え、「ジューンブライド」の核心部を見る。俺は チョークアップする。ん?ん?んんん?チョークがない?ファーック!
一度ロワーダウン。俺も間抜けだ。
仕切りなおし。
落ち着け。
深呼吸。
気合を入れなおす。そんなことしても汗が出るだけだぜ。
まあいい。
核心部、次のホールドが取れた!左手をスローパーの甘いやつにスタティックに行け た!よし。
次のポイントで残念ながらまたフォール。しかし、次回に見込みが出てきた。
ぶらさがり、ムーブを組み立てる。右手がポイント。ファック。またフォール。
右手はピンチだ。ひょっとしたらこれが一番難しいかも。少しデッド気味。
終了点まで登ってからトップロープ状態でポイントだと考えていた2箇所を 確認する。
可能性が見えてきた。明日中には落とせそうだ。まだまだのくせに俺は少しうれしく なる。

素晴らしい高度感のあるルートだ。やはり俺は長いのが好き。

サイコモーター。

暗くなるまで遊ぶ。
遠藤さんにはまだ少し危なそうなので、(5) 「森の唄」にトップロープを張る。 最後、カンテの左側に逃げてしまった。どうでもいいや。

怪我のことなど忘れて今日の充実感に浸り、明日の「ジューンブライド」RPに想いを 馳せる。なんか気分いいや。次第に足が痛くなる。

板倉さんを迎えに甲府に向かう。

足が痛い。

サイコモーター。

足が痛いぞ。ファック。

ファミレスで食事。なんか体の調子も悪い気がする。寒い。風でもひいたか。かまう ものか。竜王から行く。昨年のことをいろいろ思い出す。ファミリーマート。道路が 閉鎖されている。ファック。戻る。ガソリンが心配。今度は前日と同じ道で。俺はう つらうつら。気付くとまた白州。うーん。ガソリンないぞ。ヤバイ。結局、甲府方面 にかなり戻り、給油。うーん。

駐車場についたころにはぐったり。運転してくれた板倉さんはもっと大変だったのだ ろう。また甘えてしまった。 車を降りると妙に足が痛い。明日は無理か。 無理だろうなあ。

サイコモーター。

酒は飲まない。つまみをやけ食いする。ファックだ。こいつは全くファックだ。

翌朝。アーこりゃーだめだ。

親切な板倉さん、吉田さん、遠藤さんは、俺のために快晴のクライミングをあきらめ 俺を病院に送ってくれる。みんな優しすぎる。

塩川病院。内科の先生しかいないとのこと。まあいいよ。
その先生はどうやら近くのコンビニにエロ本と缶コーヒーと肉まんを買いに行く途中 だったらしい。「よくわかんねーや」とそいつは言った。
処置料と診察料で14000円。保険が使えて2800円。いい商売やっていやがる。病院と いう商売。まあ、俺も人のこと言えない泥棒だけど。
靭帯が切れている。
靭帯が切れている。
靭帯が切れている。
靭帯が切れている。
あの先生は目がさめたばかりで寝癖もひどくてコンビニに行く途中でひょっとしたら 獣医なのかもしれないけど、靭帯が切れていると言った。俺はなんかとても悲しい気 持ちになった。くらーい気分になる。

板倉さん、吉田さん、遠藤さんは、みんな親切すぎる。もう少し冷たくしてくれた方 がこちらの気が楽なのに。怪我したお前が悪いと蹴っ飛ばしてくれた方が気が楽なの に。みんな優しすぎる。

でもなんで怪我なんだよ。畜生。全くくそったれだ。ここはひとつ板倉さんの優しさ を思い出して気を紛らわそう。
でもなんで怪我なんだよ。畜生。全くくそったれだ。ここはひとつ吉田さんの優しさ を思い出して気を紛らわそう。
でもなんで怪我なんだよ。畜生。全くくそったれだ。ここはひとつ遠藤さんの優しさ を思い出して気を紛らわそう。

でもやはり駄目だ。俺はとても暗い気持ちになってしまう。 そんなときにマイケルモンローは歌う。人生の落ち込むとき、暗い瞬間、そこには天 啓のように全てがはっきりすることがある。
本当かよ。

HANOI ROCKSが復活する。日本では12月4日。いろいろなことを乗り越えて。とりわ け、哀切な死と別れと裏切りを乗り越えて。それならば俺だって。40にもなるマイケ ルモンローもアンディマッコイもまだまだ頑張っている。俺はまだ26だし怪我をした だけだ。でもやっぱり嫌だなあ。ファックだよなあ。酒を飲むしかあるめーよ。酒し かあるめーよ。海辺のカフカ。

吉田(法)
何より秋田君の怪我が残念だ。フリークライミングは全く安全なス ポーツではない。ロープやボルトに頼っている以上、危険と隣り合わせなこと を忘れてはイケナイ。また、保険証のコピーも忘れてはイケナイ。板倉さんは トンだ無駄足になってしまって、しかも長距離運転までしてもらって申し訳な かったです。ありがとうございました。しかし、甲府幕岩はアプローチの林道 の荒れ具合を差し引いてもお釣りが来るぐらい快適なロケーション。是非来シー ズンまた皆で行きましょう。