八ヶ岳 西面 三叉峰ルンゼ・大同心雲稜
Date: 2002.12.14
Members: L.橋口、吉田(法)、勝山
Area: 八ヶ岳
Type: 会山行/アイス・バリ
12/14
三叉峰ルンゼ 三級下 最高ピッチグレードIV+ コースタイム3〜6時間
橋口:オールリード 吉田・勝山:フォロウ
06:40新宿駅発 09:00赤岳山荘駐車場 06:16同発 10:27赤岳鉱泉着 テント設営
登攀準備 11:00過ぎ発 12:10三叉峰取り付き 16:25ルンゼを詰めて稜線へ出る 17:55赤岳鉱泉テント着 20:00過ぎ就寝
12/15
大同心雲稜ルート
リード:勝山 フォロウ:橋口・吉田
1P 30メートル 07:30登攀開始 最初フリーからボルトラダーでずっと直
上テラスっぽいところに上がって左に2メートルほどトラバースしさらに2メートル
凹角を上がってピッチを切る。ここで先行パーティーがまだ、いたため40分ほど待機して、フォロウの登攀開始
2P 30メートル 白山書房のトポ図の3ピッチ目の途中まで伸ばす。また、本来
のルートからすると右側を登る(後で気づく)。途中で細かいバンドを左にトラバースしカンテを登る。
3P ガレ場が凍ったようなフェースを右上気味に登り、最後のつるっとした岩を越えてガバを掴んでピナクルを乗越してピッチ終了。
4P フェースちっくな凹角を登り最後は階段状を登りバンドへ出しばらく右へトラバースしてピッチ終了
5P バンドを右へトラバース
6P ドーム・・・・順番待ち多数のため中止して下降
04:00起床 食事 05:30出発 06:30大同心取り付き 07:30先行パーティー待ちのた
め一時間待って登攀開始 途中40分ほど待つ 13:35ドーム下 14:20先行パー
ティーの進捗状況がはかばかしくないため大同心ルンゼから大同心稜へ下降開始
15:20赤岳鉱泉 帰り支度 16:00発 16:45赤岳山荘駐車場着 談合坂SAで食事 20:15新宿着
感想
- 勝山
- 三叉峰ルンゼ
取り付きのF1は垂直部分の高さは3メートルほど続いてF2も垂直部分は2メートルほどだらだらと雪稜を登ると二股に別れ右俣のF3を登るザイルを外し、その後はずっとラッセル途中からクラスト気味になり楽になる。雪が多いのか滝の半分は隠れているようだった。滝を一つ登るたびに手がとても寒くなる、改善しなければ。
大同心
1P:最初のフリーは地面が近いこともあってそんなに恐怖感はないボルトラダーも支点近く難しくない。
2P:本来とはずれたため4級ぐらいに感じた。途中行き詰ったところでは正直泣きそ
うになった。しかもランナウトしてて、絶対落ちられず、しょうがないので、岩にス
リングを掛けてそれにフィフィを掛けしばしレスとする。ちょっとした岩に掛けてい
るスリングなので常に張ってないと外れてしまうため緊張するが、そこで見つけた岩
の穴にやわらかいスリングを通してようやく気の休まるプロテクションを取った。そ
の後、左へトラバースしてカンテを直上するが、これは、おそらくトポ図にある3ピ
ッチ目の最初のカンテではないかと思う。そうすると僕は最初から右寄りに登り過ぎ
たのであろう。2ピッチ目は凹角を辿らず、もう少し左により垂壁あたりをトポ図に
あるようにA1のボルトラダーをすべきだったのだろう。ロクスノのトポ図だと間違いやすい。
4P:最初のホールドが細かそう且つ日差しがあたっていたので素手で登った。あとで 反省する。ここのほうが前のピッチより簡単に感じる。
5P:おっかない
総括
雲ひとつない青空の下、悪天候の恐れもなく今季最高コンディションだった。1日目
の三叉峰ルンゼでは稜線へ出た時、すでに午後4時半。稜線で写真を撮っているうち
に瞬く間に日は沈んでいったが、暗闇遠くに浮かぶ富士山や中央線沿いの町の灯を眺
めながらの稜線歩きやナイトディッセント(下降)は最高のシチュエーションだっ た。
地蔵尾根の途中(尾根で)勝山:「ここからシリセードしてもいいですか?」橋口:
「だめです」(ちょっと広い雪面)橋口:「ここからならいいですよ」勝山:「は
い」このシリセードは楽しかった。振り返ると橋口さんも楽しそうに降りてくるのが
見えた。その後はもみの木かトウヒかの樹林帯の中の登山道を辿る。夕食は吉田さん
の手になるおでん。テントは濡れていて僕は寒かった。翌日も雲ひとつ無い最高のコ
ンディション。しかし大同心雲稜ルートの取り付きにはすでに先行パーティ
が、、、、ドーム直下についた時にもすでに待ちパーティがいた。暖かいテラスだっ
たので、しばし、様子見でとどまるが寒くなり、吉田さんのツエルトに包まってあっ
たまる。しかし3人全員は入れずけっこう寒かった。赤岳鉱泉から赤岳山荘駐車場ま
では全装備背負って45分。慣れてきてどんどん速くなって来る感じだ。車でのアク
セスは習熟度も増し、ほぼ完璧になってきた。チェーンの着脱も3分とかからない。
次週はもっと厳しい山行になるという。ちょっと不安である。防寒対策を改善せねば。
- 吉田(法)
- 僕の都合で金曜夜初を土曜朝出に変えてもらったのに、また寝坊した。もう自分がイヤになった。往路車の中で自己嫌悪。天気はド晴れ。白い雪と紺碧の空。僕を外して先に行ってもらえば、気持ちの良い天気の中、二本はトレースできたかもしれないだろうに、と思うと余計に自分に腹が立つ。お二人には大変申し訳ないです。最高の天気の中、充実のクライミングができて、ただただ感謝。どうもありがとうございまし
た。
三叉峰ルンゼ
今年初のアイス。先週来たばかりの沢をまた歩く。傾斜が厳しいのは最初の F1
だけだが、ルート全体を通して雪崩が怖い。チリ雪崩が頻発。日没と競うようにしてルンゼをヒタスラ詰めていき、稜線に出たら遠く正面に暮れ時の紫色に染まる富士山。素晴らしい景色だった。
大同心 雲稜ルート
先行Pを待っている間が寒くて寒くて、行動食を食べたら胃が受け付けなくて吐きそうになった。勝山さんがオールリードしたが、すごいの一言。特に2ピッチ目後半のフリーのところはフォローでも恐ろしく、かなり難しい。しかも全くランニングが取れず、想像するだけでもリードは無理。いやー、怖かった。バンドまで4ピッチ登っても、下を見れば真下に取り付き点。ほとんど垂直。なのに半分以上はフリーで登るのだから、怖さも格別。ルートを引いた人は、なんでココが登れるって分かったんだろう?
- 橋口
- 勝山さんがリードするというので、雲稜をリードしてもらった。初めての冬季バリのリードで雲稜をリードするというのはたいした物だ。やはり、フリーの基礎がある人は違う。あらゆるクライミングの基礎は、フリーだということを痛感した。個人的には、風邪引き後の山行で、体が思うように動かず腹立たしかった。
やっと、アルパインの季節がやってきのでこれからガンガン行くぜ。
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