屏風岩東稜〜前穂北尾根〜明神南西稜
Date: 2002.12.28-2003.1.2
Members: L.橋口、吉田(法)、勝山
Area: 北ア
Type: 個人/バリ
冬壁の初心者(私自身)をふくむパーティーで穂高のバリエーションルートを挑戦し
ようとこのルートを設定した(勝山)。
12月27日(金)
新宿を21時集合。仕事が忙しく合宿ドタキャン瀬戸際の吉田君もなんとか、合宿に
参加できることになった。見送りに吉川さん、平山さんが来てくれて差し入れも頂
いた。河井さんは激励の電話をしてくれた。どうもありがとうございました。沢渡の駐車場には1時頃到着。すぐ就寝。
12月28日(土) 晴れ/曇り
沢渡==上高地--屏風岩一ルンゼ出合
沢渡の気温マイナス15度、息をするたびに鼻毛が凍ってびびる。冬の穂高がはじめての私にとって麓の寒さにこんなにびびってて大丈夫なのだろうかと一人心配になる。釜トンネルを越えた後、満点の夜空の中、月明かりに照らされてうっすらと雄大な穂高の稜線が浮かび上がった。西穂、奥穂、前穂、明神全てが一望に見渡せた。神々しい美しさにしばし息を呑んだ。道は、河童橋をしばらく言ったところで、ラッセルとなった。しかし、平坦なので、ペースは落ちない。徳沢から横尾までのラッセルは楽ではなかった。しかし、スピードはあまり落とすことなく、横尾、1ルンゼ出合まで行く。途中、ヘッドランプを落とし屏風から引き返してきた単独の登山者に出会った。「1ルンゼのラッセルはばっちりだ」という。それを聞いてすこし、気分的によくなる(勝山)。
この日のうちに、全装備を担いでT4尾根を登る選択肢もあったのだが、当初の予定通り1ルンゼ出合にテント設営し、登攀用具のみでT4尾根下部2PにFIXロープを張ることにした。1ルンゼの登りはトレースを辿るも大変つらい。交代でラッセルし、3人で4順したぐらいで取り付き到着、下部取り付き左の丸い岩に雪のテラスが
ありそこをビレイポイントとした(勝山)。
夏の1ピッチ目の半分以上は埋まっていた。核心の被った凹角は氷付けになっており困難なので、右からA0と凍った草付きへのダブルアックスで15m程登り、ビレイ点へ。そこから、雪の詰まった悪い左上バンドを登ったあと、凹角内を直上するが、ピンが少なく、悪い。草付きにアックスを突き刺したり、A0したりとだましだまし登っていき雪壁のビレイ点へ着く。ここまで2ピッチをフィックスすることにした(橋口)。
リードの登りを見ていても、どうやって登るのか、分からないほど、雪が付いている。八ヶ岳とは大違いの大変なところだと感じた。1Pは相当雪でかさ上げされていて、約5メートルほどであったが、雪に埋もれた岩を掘り出してのクライミングは非常に恐怖感を感じる。こんなクライミングが果たして荷物を担いで出来るのかと非常に心配になる。2Pも悪い。カンテを抜けた後の垂直に近いスラブが手がかりが少なくつらい。しかし、持っていたアックスでドライツーリングをすると意外と速く抜けることができた(勝山)。
3人全員抜けるまで時間が掛かるため、リードの次に登った勝山は先にFIXしたロープで懸垂した。50メートル一本で15メートルほど余る。ロープの下の末端を雪の中に固定し、この日はテントサイトに戻った。
夕食は一回限りの豪華な食事ということで、キムチなべと雑炊。2リットルのチタンコッヘルでは足りず、鍋で3回、雑炊1回の計4回に分けた鍋を沸かした。
満腹になった。水は沢からいくらでも取れた。
沢渡出発 4:30−(タクシー)−釜トンネル 5:00−上高地
6:40−徳沢 9:00−横尾 10:30−1ルンゼ出合 11:30(テント設営)−T4尾根取り付き 13:30(2PにFIXを張る)−下降
16:27−1ルンゼ出合 17:05
12月29日(日) 雪/晴れ
屏風岩一ルンゼ出合--T4
気温はマイナス5度ほど。暖かく感じる。
昨晩から雪が降り、結構な積雪となった。1ルンゼの雪崩が気にかかり、様子をみることも考えたが、行ってみないと分からないので、とりあえず出発することにする。ほとんど行動を共にした、横尾から着たパーティと交代でラッセルする。ラッセルはそれほど深くはなく、一ルンゼの集雪面積も少なく、早朝と言うこともあり雪崩の危険は少ないと判断し、取り付きまで急ぐことにした。
T4尾根下部2Pはユマーリングしたため、割合と早く登れたが、後続パーティはほとんど変わらぬ時間で追い抜いていった。そこから上部は岩ではないが、雪の付き方が
悪いためザイルを2Pだす。吉田リード、橋口・勝山フォロウ。
夏の間は土のルンゼも冬は雪が流れる雪のルンゼとなっていて、木を手がかりに上るも、足もとの雪が崩れてなかなか登れない(勝山)。
さらに、先行パーティがT4直下の岩場を登るのを待ち、ザイルをさらに1ピッチのばす。T4では吉田さんはスタンディングアックスビレイをしていた。
当初の予定では、東稜にザイルをフィックスする予定だったが、T4からT2までの雪壁が急でザイルを出す必要があり、T2はテントを張るスペースはない感じだったのでこの日はT4にテントを張り、T2までザイルをFIXすることにした。小一時間の作業でかなり広い空間が出来、テントを設営した。ここで、私がどじを踏んでテントをアイゼンで踏んでしまい穴を開けてしまった。3センチほどの穴だったが、広がると今後大変なことになるので、つまんでしっかり縛ることで応急処置とした(勝山)。
T2までは、氷雪の上に新雪が積もっている感じで、かなり嫌らしく、岩の部分に時折打ち込んであるボルトをランニングとして、慎重にFixした。T3でピッチを切り、T2までおおよそ100mフィックスした。T2直下の部分は岩の要素もあり、登攀色もある。フィックスは、橋口リード、吉田フォロー、勝山はテントで休みという感じで行った。テントは、雪稜に危うく乗っかったようなもので、見た目非常に怖いが私以外の二人はそれほど、心配していないらしく、寝る時も私以外はビレイを取らなかった。しかしながら私も寝ている間にうっとおしいロープを解除した(勝山)。
1ルンゼ出合出発 5:00−T4尾根取り付き
6:00−ユマーリング−3P(雪のルンゼ) 7:00−4P(チムニーから雪稜)−T4 12:10(テントサイト作り)−T2 FIX工作
13:30−工作終了 15:30−帰幕 16:30
12月30日(月) 晴れ/曇り
T4--東稜登攀--カモシカ尾根手前
T4から東稜とりつきのT2まで、Fixを使って暗いうちに通過する。
東稜は橋口リード、吉田・勝山フォロー。リードは個人装備と登攀用具、フォローはその他団体装備を持って登る。
1P目 単調な人工から、草付をダブルアックスで登り、その後、雪がついた 結構悪いフリーでビレイ点へ。
2P目 ボルトラダーの単調なピッチだが、初っぱなのピンをフリーで取りに行く
必要があり、アイゼンでは結構悪い。あとは、部分的に遠いところもあるが、 特に難しくはない。
3P目 東稜を左に回り込み、雪の着いた凹角内を直上。雪の着いた部分が、 やや悪い。オープンロードのビレイ点でピッチを切る。
4P目 右へ人工でトラバースした後、東稜を直上。単調なボルトラダー。
5P目 数ポイントの人工のあと、旧来のルートが崩壊した部分の、左上バンド
をフリー登る。雪の影響はほとんどなく難しくはないが、残置ピンが少なく、10m
近くランナウトするので緊張する。気休めに、エイリアンの黄、ナッツを決めるが、
余り効かなかった。エイリアン緑と、ナッツの中間サイズを各種持っていれば、結
構、効かせられるところが有るだろう。あとは、右に雪のバンド自体をトラバースし ビレイ点へ。
6P目 雪が付いた凍った草付きをダブルアックスと木登りで抜け、ピナクルテラスへ。
7P目 テラスを右にトラバースした後、単調な人工で右上気味に登った後、絶悪の
フリーで東稜終了点へ。雪が付いていて悪い。トップが付いた時点で日没となる。
8P目 東稜は終了したが、雪の付き方が悪いので、ザイルを出す。暗くなり周囲が
よく見えなく、途中岩場に阻まれたりして、ルートどりに手間取る。かなり急な木登り となる。
9P目 時間が21時近くとなり、これ以上の行動は、疲労を蓄積させてしまうことから、
これ以上進まないことし、適当な場所で最悪ビバークすることを考えたが、何とかテントを張る場所を作ることができた。
この日はほかに後発に I宮氏が、東稜を登っており我がパーティをあおっていた。 彼らは、懸垂で同ルートを下降したようだ。
ガイドには「冬の東稜に挑戦するなら難しさはむしろT4の方にある」とあり、今ま
でよりは簡単なんだと信じて取り付く。しかし、すぐにその間違いに気づく。やはり
屏風のルートは長く、体力を要するものだった。午前中の3ピッチは日差しを浴び
ての割合暖かい快適なクライミングだったが、午後になると一転、太陽は岩に隠れ、
寒い暗いクライミングとなった。動いていると暖かいがビレイ中はがたがた震えが止
まらないほどの寒さ。登攀スピードは最初は遅かったが、後続パーティーに追い上げら
れたため、徐々に上げた。それでも、まだ、後続パーティーにはかなり待たせてしまった
ようだ。ルートの核心は5Pのフリーの部分。岩が崩壊していて、10メートルピンがなく、
ランナウトする。リードはその間に途中二箇所ナチュラルプロテクションを取っていて、私
はそのナチプロにアブミをかけて登ろうとしたが、ナチプロがはずれ、大変怖い思いをし
た。外れた瞬間になんとかガバを掴むことが出来、落ちはしなかったが、パニックに陥り
かけた。その後は根性を決めて、フリーで登り切った。ロープが屈曲するため、5P は右トラ
バースをしたところでいったんピッチを切った。その後のカンテの登りはドライツー リングを
した。最後のピッチは、垂直の壁のアブミ架け替えの後フリーで、40メートル、今回では
一番長いピッチになった。このピッチはリードが登り終えた所で、日没、フォロウの
二人はユマーリングをした。3人とも登り終える頃にはすでに真っ暗であったにも拘
らず、ビレイ点はまだ、ハンギングビレイ。テントを張れそうな雪稜にたどり着くま
でにはさらにもう2ピッチザイルを伸ばさなければならなかった。この日の行動時間 は16時間に及び、就寝したのは夜中過ぎの1時だった(勝山)。
出発 5:00−T2 5:50−東稜登攀開始 6:25−2P
8:05−3P 10: 10−4P 12:10−5P前半 14:10−5P後半 15:10−6P 16:30 −雪稜 18:30−雪稜2P
20:30−テントサイト 21:00
12月31日(火) 晴れ/小雪
カモシカ尾根--北尾根八峰
前日の行動を考慮してこの日は、起床を7時とした。カモシカ尾根の上部にたどり着
くまで は結構急な雪面で、以外と悪い。場合によってはザイルも必要なところである。そこから、
カモシカ尾根をたどり、屏風の頭へ、8峰までは薄いトレースを辿る。結構時間があるため、
5、6のコルまでいくことも検討したが、メンバーの疲労と、快適なテントサイトのため8峰
にテントを張ることにした。この日は14時で行動終了。4時のラジオを聴いて天気図を描く。 テン場には他に3張り。
連日の使用でシェラフは濡れ、また、テントの天井から粉雪のようなものがシェラフの上に降ってきて中々乾かず、寒くて一睡も出来なかった(勝山)。
テン場 9:00−屏風の頭 11:30−2565地点
12:30−最低コル 12:50− 8峰 14:07
1月1日元旦(水) 晴れ/雪
八峰--前穂高岳--明神岳--西南尾根台地
起きてみると星がきれい、事前の予報に反して天気がよく、前穂に行くことにした。
7峰で、やや下降気味の悪いトラバースがあるが、ザイルを出すほどではない。
まだ明けきらぬ中出発、6峰の登りで御来光。夜明けの赤い太陽に照らされた奥穂
や涸沢の雪をまとった山腹が純白のウェディングドレスのように見える。松本側には
雲海が広がり、なんだか今日は天気がよさそうだという気がしてくる(勝山)。
四峰の登りでスタカットでのぼるパーティがいるのを追い抜く。部分的に悪い部分が
あるが、しっかりとしたクライミングの技術を身につけていれば、問題ない。
三峰の登りで初めてザイルを出す。勝山リード、橋口・吉田フォロウ。リードは個人装備と登攀用具、フォローはその他団体装備を持って登る。
1Pはルートが屈曲し、ロープがなかなか出なくて苦労する。
2Pはロープの流れをよくするためのプロテクションを何ヶ所か取る。
二峰の登りで一箇所難しいところがあった。橋口リーダーによるとボルダーで7級程
度ではないかと言う。オーバー手を取り登る。二峰の下りも若干嫌らしい。あとは、
グイグイと高度を稼ぎ前穂の頂上へ。雲がでてきて悪天の兆しが見えてくる。 主峰の登ったところで若干休憩。記念撮影をする。
明神のくだりはしっかりとしたトレースが付いていて、非常に楽だった。パーティー
も多く、明神二峰の登りでは順番を譲っていただいて先に行かせてもらった。明神
二峰は、ひょうたん池側から巻くようにスタカットで登っていく。残置のフィックスも
あり、特に問題となる箇所もなく、2ピッチで巻くことができる。あとは困難なとこ ろもなく
五峰、ジャンクションピークの岳沢側を巻くが、天気は下り坂で軽い吹雪の中の下降 にな
る。西南尾根にはいると比較的短時間で台地テントサイトに付くことが出来た。
この日は前日、非常に寒かったので、シェラフの上にツエルトを被って寝たが、結
局、息苦しさと口の周りに出来た氷で目が覚めた。3時間ほどしか寝ることは出来なかった(勝山)。
出発5時−三峰取り付き 9:40−前穂頂上 12:50−明神主峰
13:50−明神 三峰 14:30−明神西南尾根上台地テン場 16:15
1月2日(水) 雪
明神西南尾根上台地テン場--上高地--中ノ湯
下降のポイントは明瞭に見える尾根より一つ右の不明瞭な尾根を辿ること。それと、
二箇所ほど出てくる急な岩場。ここにはフィックスが張ってある。ここは結局ロープを出
さず、下降した。その結果、短時間でふもとに下りた。部分的に迷いやすいところが
あるが、赤布が要所要所にあり、注意していけば問題はない。あとは、人の多い上高地
から、車道を中ノ湯へ向かい。下山。松本で、飯食って風呂はいって帰京。
河童橋にデポしたジョギングシューズとおにぎりはなくなっていた。釜トンネルでは二
回すべるが、ザックで衝撃を吸収した。手の先と足の先は若干凍傷っぽい異常があっ
たが、自分の車に帰り帰り支度をしていると徐々に達成感が沸いてきた(勝山)。
出発 7:00(気温-17度)−岳沢登山道 8:50−上高地
9:30−中ノ湯 11:30
感想
- 吉田(法)
- 「ユマーリングしまーす!!」 12月30日、東稜を攀じった日、二度叫んだ。
一度目は
5P目。きわどいフリーの部分がどうしても越せず、このままではパンプして宙吊り必至という場面。重荷を担いでアレを登るのは僕には無理だった。もう一度は日没後。木の枝に進路を阻まれ、強引に登ったらザックの横に付けてあったスコップが枝に絡まった。三回チャレンジしても抜けられないので、ユマールにアブミを付けて突破しようと試みるもダメ。物理的にザックを背負った人間が通れる空間が無いのではないか?
橋口さんと勝山さんはどうやって抜けたのだろう?
精根尽き果てて、ザックを下ろしてユマールにぶら下げ、人間だけ先に登り、後からザックを引き上げて突破した。
今回終わってみれば、屏風東稜〜前穂北尾根〜明神西南稜という、それぞれ単発で行ったとしても十分困難なルートを、継続で攀じることができた。これは凄いことだ。本当にモノ凄いことだ。下山してからさらに達成感が沸々と沸いてきている。
しかしその一方で僕の登り方はイマイチな感じがしてならない。前述の二度のユマーリングの他に、北尾根二峰でも一箇所荷揚げしてもらった。これらがどうにも悔やまれる。主たる原因は、度胸の無さと技術・体力不足。これに尽きる。ついでに反省すると、技術・体力不足をカバーする意味で、もっと真剣に金をかけてでも軽量化すべきだった。
にも関わらず、それほど悲惨な目に会うことなく無事下山できたのは、好天が続いた幸運もさることながら、橋口さんの強力な突破力とリーダーシップ、勝山さんの的確なワンポイントムーブ指南によるものである。言うまでも無いことだが、正味の話、僕だけなら間違いなくT4すら行けない。
ところで実際この 5泊6日はつらい事ばかりではなく、楽しく充実した日々だった。例えば
1月1日、快晴の前穂北尾根、初日の出に染まる穂高連峰、日が昇るにつれて白さの純度を増していく雪壁、飛行機雲が映える紺碧の空は素晴らしかった。言葉を失うほど素晴らしかった。また、賑やかで親切な前橋山岳会の方々には「学生さん」呼ばわりされた(秋田君がいないのに!
快挙だ!)。
最後に、見送りに来てくれた吉川さん・平山さん、激励の電話をくれたアッコさん、ありがとうございました。吉川さん差し入れの馬刺しは激ウマでした。また買ってきてください。
- 勝山
- 今回の合宿に参加する前は、私はガイドブックのグレードだけを見て冬壁の難しさを判断していた。実際に私が冬壁の厳しさを知ったのは、その後、12月初旬の八ヶ岳石尊稜である。グレード的にはたった2級のルートだが、アプローチのラッセルからして梃子摺り、下部岩壁の2ピッチで敗退した。ラッセルでバテ、岩に取り付く頃にはへとへとになっていて、汗を一杯かいた後の吹雪の中のビレイでは凍えそうになり、
モチベーションも最低。たった2級のルートでも天候や条件次第では大変困難な場所に なるのが冬壁だと、この時、知った。
この時の経験から、また、未知の厳冬期の北アルプスにも挑戦することもあって、トレーニング以外に出来ることとして、軽量化にはかなり意を尽くした。軽量化した装備を二三挙げる。
-
ギア、ヌンチャク、カラビナはブラックダイヤモンドのワイヤゲートにした。3個のヌンチャクと6個のカラビナで、120グラムも、軽量化。
- アブミ、元はロープスリングで作ったものだったが、テープスリングにした。200グラムの軽量化。
- ヘルメット、軽いものに買い換えた。180グラムの軽量化。
- ハーネス、軽いものに買い替え、230グラムの軽量化。
そのほか、ルベルソからATCなどで軽量化し、総計833グラムをそれまでよりも軽量化した。
その他は、行動食を、錠剤やブドウ糖のほか、スニッカーズにした。ブドウ糖は満腹感はないがバテることはなく、行動食としても成功だった。非常食はカロリーメイトのみとした。これらで、1キロぐらいは軽量化出来たと思う。団装備としては、テントの内張りとフライは持っていかなかった。
冬合宿では、他に、凍傷や、体力の点で不安があったが、
終わってみると予定したルート通りを、計画よりも一日早く、下山するという大成功だった。山行中、ほぼ晴れの天気が続いたこと、壁登攀中の気温が比較的高かったこと、さまざまなラッキーな要因が重なってこのような成功を生んだと思う。
私について言えば、精神面や技術面で大きな課題が残った。先ずはモチベーション。壁を抜けるまでの低く弱気だった。先頭には立てない精神状態だった。あとは、技術面。アイゼンをつけてのクライミングがまだ下手。この冬、何度か本番や練習で経験を積んで行くことが必要だと感じた。また、テント内で寝る時、シェラフが濡れてしまい、二日ほどほとんど寝られなかった。他のメンバーも同じような調子だったらしく、ツエルト被るなど対策をしたが、完全に解決したとは言えなかった。次回はこの点も解決したい。
- 橋口
- とにかく、無事に合宿を終えることができて良かった。あまり、力量があるパーティとは言えない我がパーティが成功することができたのは、天候に恵まれたこともあるが、みな忍耐強く山に取り組んだ結果といえよう。特に、吉田君は年末の仕事の忙しい中で、トレーニングに参加し、合宿に参加してくれた。こういう山行は、つらいことも多いが終わったあとの喜びも大きいものだ。いつもとは行かないが、たまにはこういった山行を続けていきたい。
東稜の登攀は、オールリードしたこともあり精神的に結構疲れてしまった。二人でスマートに登ると言う方法が重要な解決策の一つであろうが、それはその時々の山行形態によってしまう。そのため、登攀中は、強いモチベーションを持つことが最も重要なこととなる。今回、寒気等の環境条件により、これを持続することがなかなか難しかった。もっとメンタルな部分での強化を図る必要がある。また、生活技術面では北アルプス南部と言うことであまり問題はなかったが、より積雪の多い悪天の地域に入山することを考えた場合、まだまだ未熟な面が多いことは否めない。濡れにたいする対策、食事を作るときの効率化、朝の身支度に対する時間の短縮化など改善することは沢山ある。また、自戒を込めての話になるが、最近、雑誌やインターネットで情報が溢れかえり、頭でっかちになるなかで山に取り組む向きが非常に多い。技術と経験に裏打ちされない知識などは、何の役にも立たないことを肝に銘じ、謙虚に山と向かいたいものだ。
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