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穂高滝谷ドーム中央稜・北壁左ルートなど

Date: 2003.7.19-23
Members: L.吉田(法)、豊岡(OB)
Area: 北ア
Type: 個人/バリ

18日(金)
バスターミナルへ向かう途中、渡部さんに「新橋つれない会」シールを貼っ たヘルメット を見つけられてしまう。

19日(土)
雨。とぼとぼ歩いて涸沢へ。冬に歩いた時とは当たり前だが全然違う風景。 視界が利か ず、屏風がやっと見える程度。
涸沢は初めて来た。小屋にはインターネットに接続したパソコンが置いてあり、天気予報が表示されていた。

上高地6:00/6:30-涸沢12:00

20日(日)
朝 3:00 に起きるも雨。二度寝。フテ寝。とりあえず 4:30 に起きて準備。雨の中、北穂南稜を駆け上り、北穂小屋に逃げ込む。なんて素敵な快適な小屋。写真集などを見たりして過ごす。二時間ほど雨宿りしても埒が明 かないので、嫌々ながら出発。

稜線を南に進んでいると、豊岡君が振り返って手をかざし「ドームですっ」と教えてくれたが、その手の先には真っ白な霧の空間しか見当たらじ。とりあえず、 さっき小屋で見た写真がここから見えるのだな、と思うことにして先に進む。

ドームを回りこんで第三尾根を下る。ヒジョーに怖い。ガレガレだ。懸垂二回して中央稜を目指すが、視界が悪いので、どこがどうなっているのか分からん。核 心部は確認できたが、取り付きまで行き着く前に急に雨がドシャーっと強くなりツェルトを引っかぶって途方に暮れる。「帰ろうか」

帰ろうと言ってもタダでは帰れない。第三尾根(3級下)を登らなきゃ。二回ほどロープを出して稜線へ。雨の中、成果も無く、また北穂南稜を下って帰る。

起床4:30/5:30-北穂7:00/9:00-中央稜取り付き近辺 10:30-稜 線12:00-涸沢14:00

21日(月)
未明から土砂降り。昨日よりスゴイ。まるで洗濯機の中に入ったみたいな降 りかた。入っ たこと無いけど。登攀なんてとても無理。

午後から天気は回復し、明日に期待。

22日(火)
満点の星空。よーし。暗いうちにまた北穂へ駆け上る。明るくなって視界良 好。これが ドームか。良く覚えておくように。ドームを回りこんで下降。ハーケンの支点で 25m 懸垂。第三尾根をクライムダウンし、ペツル2個でまた 25m 懸垂。バンドを伝って左のリッジを回り込むと、凹角の真下にピナクル。これがドーム中央稜(3級)取り付き。

1ピッチ目(IV)、豊岡リード。凹角を登り、狭いチムニーをズリズリ進 む。最後は左 に出れば簡単そうなのに、豊岡君はイジワルなことに直上。高度感たっぷりにチョックストーンを乗り越える。

2ピッチ目(V)、吉田(法)リード。リッジの右側をひょいひょい登ると、ビシッとしたカンテに出くわし、左右両側にビシバシとピトンが打たれまくってい る。左側のスラブを選んで登る。このピッチは最高!

3ピッチ目(I)、豊岡リード。

4ピッチ目(IV)、吉田(法)リード。凹状を登っていくと、残置カムがあったので、なんとか回収しようと頑張ってみたがダメだった。その上で残置ピンが 左右二手に別れており、面白そうな左のクラックへ(多分右が正解)。手足でジャミングしまくって突破。次いでフェース。A0 したくなる誘惑を断ち切って、うりゃと伸び上がるとガバ。

5ピッチ目(V)、豊岡リード。三たび凹角。最後はガシっとレイバック。豊岡君がランニングを 4〜5箇所ほど固め取りしてたけど、回収も楽しいぐらい快適なレイバック。そして終了点。このピッチも最高!

柴田君も絶賛のドーム中央稜は、アプローチの怖さはあるが、それを補って余りある楽しさ。クライミングって楽しいなーとシミジミ思った。

稜線へ出て、次は雲表ルートへ向かう。ドーム北壁の前を下る。ここもガレガレで怖い。で、Bフェース基部のバンドを回りこもうとするが、なんか状況がヤバ そう。バンドとは言いつつもガレで埋まっており、豊岡君も去年はこんなではなかったと言う。ニューウェイブ取り付きも、去年は岩にペツルが2つあったと言 うが、岩が割れて片方のペツルしか残っていない。しかも残っているペツルも割れ面の角っこギリギリ。大規模な崩落があったのだろうか。なんとか進もうとす るが、とてもロープを出したり出来ない状況なので、辞めることにする。

次のターゲットはドーム北壁。登り返して、人工の練習のため左ルート(3級下)へ取り付く。ここは陽が当たって良い。稜線を行く登山者にも丸見えだが、平 日のためギャラリーは少ない。

1ピッチ目(IV A1)、吉田(法)リード。アブミ。フリーで行ける部分もある。

2ピッチ目(IV A1)、豊岡リード。アブミ。フリーで行ける部分もある。

3ピッチ目(III)、吉田(法)リード。IIIだが傾斜は急。1〜2ピッチ目の人工がつまらなかった分、このフリーのピッチが楽しかった。

このルートは、ものの本ではお勧めルートになっているが、立地条件的な意味合いが強そう。オールフリーでも登られているが、僕には無理だな。

右ルートも登るつもりだったが、急に二人とも人工に興冷めしたので辞めて、涸沢岳経由で帰ることにした。岩稜をいくつも越えて穂高岳山荘に着くと、これま た快適そうな小屋。泊まりたい。ザイテングラートをカッ飛ばして下降。

起床2:00/3:30-北穂5:00-ドーム中央稜取り付き6:10- 終了9:05 -ドーム北壁左ルート取り付き12:00-終了13:30-穂高岳山荘14:30-涸沢15:30

23日(水)
雨。もういやんなっちゃうなー。パノラマコースから帰ろうと思ったら、 「残雪が多く危 険です」とロープまで張って通せんぼ。吉田(法)も昨日頑張りすぎたせいか膝の調子が良くないので、横尾経由で上高地へ。

上高地で飯食って風呂入って、さわやか信州号で帰京。

起床4:00/5:30-上高地10:00

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やっと晴れた

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中央稜2ピッチ目から槍ヶ岳への稜線

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爽快な
クライミング

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ドームの頭にて

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名残惜しい
涸沢カール

感想

吉田(法)
4泊5日で臨んだにしては成果は少ないが、梅雨明けを読み切れなかったので仕方が無 い。クライミングは3級ぐらいが楽しいな。

豊岡
「人工登攀ってこんなにもつまらなかったっけ?」と思った、そんなド−ム北壁。中央稜 がオ−ルフリ−で快適すぎっていうのがいけないのだろう。とにかくすばらしい、に尽きる。嫌いと言う人の顔が見てみたい気分だ。いつもガスをまとっている ため、その容貌は辛抱強いクライマ−にしか見せてくれない。ますます、魅力的だなあ、と。ずっと、待っていたかいがあったというもの。吉田-豊岡コンビの ときは「天気は微妙、おいしいところで晴れる」ということになっているのだ。これは天の神様が決めたことだからしょうがないのだ。

西壁雲表ル−トも快適なだけに残念。どうして、あんなになっていたのだろう?落っこちるかと思った。

クライミングは南稜フランケのように無我夢中で登るル−トではなく、景色を楽しみながらも、ところどころでピリッっとスパイスの効いたル−トがちょうど良 い。

出発の日、名パ−トナ−柴田から電話があった。のんきに話をしていたら「しまった!バスに遅れるっ!」と夏なのにザックに収まりきらない大量の食料を手に 持って猛ダッシュした。涼しい初夏の夜のこと。


参考資料

◎穂高岳の岩場(C.J./白山書房、1987)
◎穂高岳の岩場(武藤昭/山と渓谷社、1980)
○穂高の岩場@(岩稜会/明文堂、1958)

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