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阿弥陀岳南稜〜西岳周遊

Date: 2003.8.23
Members: L.安藤
Area: 八ヶ岳
Type: 個人/縦走

舟山十字路4:15---南稜分岐4:45---南稜のコル4:55〜5:05--- 立場山6:05〜15---青ナギ6:25---無名峰6:45---P2の頭7:00---阿弥陀岳7:35〜50---竜頭峰8:40〜9:00-- -キレット小屋9:40---ツルネ10:00〜10---権現岳10:50〜11:10---青年小屋11:50---乙女の水11:55〜12:05 ---西岳12:40〜13:15---信玄の隠れ岩分岐14:15〜25---立場川丸木橋14:55---舟山十字路15:20

感想

お盆休みは墓参がてら山麓の通称"農場"(八ヶ岳農業実践大学校)の芝生に寝そべって、終日のんびり読書なんぞに耽っておりました。すると夕刻近く、それ まで八ヶ岳を覆っていた雨雲が一気に晴れて、南部のキリリとした稜線が目に飛び込んできました。

しばらくボケーッと見ていたら、その時ふとひらめいてしまったのです。阿弥陀の南稜を登って赤岳・権現岳と巡り、右下に見える緑の西岳までを1日で回れれ ば、舟山十字路からの充実した日帰り周遊ルートが成立するんじゃないか...と。で、翌日からの鳳凰三山で思ったほど膝にダメージがなかったこともあっ て、さっそく今週もまたぞろ国道20号を5時間かけてひたすら下って来てしまったと言うワケ。

靴擦れが完治していないため、今回は払い下げのボロ運動靴。あとは日帰り装備にツエルトと若干多めの行動食をザックに詰め、いざ行ってみたらこれが予想以 上に素晴らしい会心の山行で、「オレのルートを創造する感性ってかなり芸術的かも...」なんてついつい自画自賛したくもなりました。

その第一の理由としてロケーションの良さが挙げられます。無雪期の南稜は静寂以外にあまり価値がないけれど、登り詰めた阿弥陀岳から今回のいわゆる馬蹄形 ルートを継続することによって、今登ってきた南稜を逆に阿弥陀岳から立場山まで、立場川本谷越しに逐次角度を変えてナメるように間近に眺めながら辿れるの です。キレットから見る青ナギなんぞは、呼べば答えてくれそうな文字通り指呼の間でした。単に行者小屋へ下ってしまったのでは、このオマケは絶対に付いて 来ません。むしろ無雪期の場合、「やっぱり南稜はたいしたことなかった」と物足りなさを秘めながら隣の御小屋尾根や阿弥陀岳中央稜を下降するよりも、こち らのルートを経由することでようやく前向きな相乗効果が得られるというものかもしれません。

お天気も最高で富士山から白馬まで360度の大展望。なかでも甲斐駒の向こうに地蔵岳の例のオベリスクなんぞがイヤでも常時視界に入ってきてしまい、揃い も揃った先週の3人の"雨オンナ"たちがとことん哀れに思えてなりませんでした。

西岳からの下りもこれまた味のある広くて緩やかな森の中だったので、膝にも非常に有り難い限りでした。最後、不気味な"信玄の隠れ岩"から下は、踏み跡を 見失ってヤブこぎとなりました。しかしこれも2.5万図とお友達になる良い機会。夏独特の草いきれの中、まとわりつくアザミやイバラを振り解きながらも、 ほどなく立場川にかかる丸木橋に出て清流に顔を浸したのでした。

これで汗がグッと引いて来たので、舟山十字路に戻ると風呂は辞めて今日もすぐ下の"農場"へ向かいました。そして麦藁帽子をかぶり芝生に足を投げ出して、 9日前と全く同じ場所、同じ姿勢で同じ風景を眺めながら板倉君に下山報告。たった今歩いてきたばかりだけに山々には親近感もあったけど、まだまだ陽が高 かったせいか本当にトレースしたんだろうかと疑心暗鬼になったくらい、今日一日が長く感じられました。そんなこんなで爽やかな高原の風に吹かれていたら、 いつの間にかそのまま熟睡してしまいました。もしかしたら全部夢だったのかもしれませんね。

払沢のAコープで"真澄"と食材を仕入れ、田園地帯の某公園でミスマッチの"ネギマグロ鍋"を作って一献。やがて向かいの入笠山あたりのシルエットがよう やく漆黒の闇に消える頃、少し離れた所にポツンと建つ公民館に灯りが点り、青年部の寄り合いでもあるのか中から酒盛りをする男衆の喧噪が聞こえて来まし た。しかしそれも広大な星空と虫の音や蛙の鳴き声に同化して、なかなかの農村サウンドを醸し出していました。まだまだ晴天が続くようなので、明日は予定通 り市民プール三昧です。なんたってガラガラだし、1日400円で飲食物の持ち込みも自由だから、ブームに乗って商売っ気に走りがちな日帰り入浴施設よりも よっぽど穴場かと思います。

「そんなヒマがあったらもう一日山に行く」と皆さんは思うでしょう。が、いっそ山里の衆に紛れられるなら、僕の登山活動はこんな感じの"ほどほど"でいい と思っています。残暑厳しい折、今月3度目の山を堪能できた週末でした。

注)今回は記録的意味合いの文章は極力避けました。なぜなら記録は会の仲間と共有し合うことは望んでも、見ず知らずの方々にまで安易に提供する気にはなれ ないからです。インターネットを覗くと阿弥陀岳南稜だけで400件以上もヒットする情報過多時代。なかにはご丁寧に写真付きでガイドブック顔負けの詳細な 報告も見られました。自己の集大成として記録をまとめて公開されるのは賛成ですが、それを閲覧・利用する側の意識や節度の持ちようはかなり重要だと思いま す。情報不足を自らの経験や判断力で補うのがバリエーションルートの醍醐味であり、事前に情報を得るにしても実はそれなりの代償(一朝一夕では成り立たな い人間関係の構築等)を支払うのは当然だと、僕は今でも確信しています。従ってルート上のアドバイス等を希望する会員は、お手数ですが別途当方まで直接問 い合わせ下されば幸いです。

以上