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剱沢大滝

Date: 2003.10.4-21
Members: 勝山、他11名
Area: 北ア
Type: 個人/沢

アタック担当
ルート工作・スチルカメラ担当:登山ガイド兼写真家 S水
S水のクライミングパートナー:T田さん(最高齢)

HDカメラ担当:Y山、勝山、Y主
ルート整備担当:I葉、T橋
食料担当:S山、M原
兵站部隊:M田、K森
監督:H瀬

4日、快晴の中、入山、Y山、K森、M原、勝山の4人。十字峡へ荷揚げ。関電人見寮泊。めしうまい。関電施設の温泉も特別に借りる。また、景色はすばらし い。高熱随道からは硫黄分の含んだあたたかい湯気が流れ出している。

5日、快晴。全員入山。十字峡へ荷揚げ。人見寮泊。
飯うまい。

6日、快晴。十字峡へ荷揚げ。最後の人見寮泊。
夕食はおでん。

7日、荷揚げ。十字峡泊。
焚き火。

8日、十字峡に来て、2日目、歩荷班と撮影班に分かれる。自分は歩荷班、人見寮から十字峡へ1日歩荷。

9日、7:50ごろ、快晴、十字峡発。北尾根でショートズームで歩き撮影。懸垂下降100メートル。懸垂途中で支点を取って撮影。降り切ったところで撮 影。歩きながら撮影。剣沢平でテント場つくりで石を転がすみんなを撮影。十字峡に戻って荷揚げ。デジカメで渡渉を水面より下から撮影。タオルが以外にレン ズ拭きに活躍する。今夜の剣沢平の焚き火は盛大になる。S水さんのクライミングパートナーさんT田さん合流。焚き火がうまい。真夜中にふっと消えて、大量 の薪を担いでくる。

11:40分就寝、月光の明るさがすばらしい。へッ電なしで歩ける。夜空には雲ひとつ無く、星空もきれい。ここのところこのようないい天気が続く。

10日5:20起床。一番に起き、他の人の起き出すのを撮る。朝日撮影
11:30I滝左岸取り付き。ちょっと遅め。この遅れが尾を引いて、4ピッチ目のルートファインディングに手間取り、3p終了点で時間切れ敗退。

ちなみにルート概要。
1p:4級、もしくはA03級、ただカメラを担いでのフォロウは厳しい。
2p:スラブから木登りへ、短く切ったので楽。1pより楽。
3p:木登り。木がメガネにからまり、ザックにからまり、大変な藪こぎ。長い。
4P:ルートファインでリングに手間取り、この日は敗退。下降開始する。

11日、6時発、朝イチで渡渉。3Pまでのユマーリング。4P目、S水さんルートファインディングに苦労し、ルートは屈曲する。そのため、4Pはクライム ダウンを含む変則的なルートになった。4ピッチ目終了点が焚き火テラスへの懸垂下降地点。さらに7メートル、懸垂下降し、12メートルトラバース。焚き火 テラス到着、しばし休憩後、懸垂下降で降り、トラバースピッチのFIX工作へ向かう。焚き火テラスから先は、奈落の底のようだ。真下はきれ落ちたゴル ジュ。50メートルほど何も無く、地獄が口を開けて待っているかのようだ。ありえない風景。デジカムで撮影。S水さんしばし、視界から消え、帰還。苦労が しのばれる表情を浮かべている。焚き火テラスに無理やりテントを張り、ビバーク。ロケする。ビバークサイトからは月が見え、美しい。焚き火で4人用テント を張って寝たのはわれわれが初めてだと思われる。4人はきつい。足を伸ばすと崖からはみ出す。デジカメ・鍋釜はテントのはし、はしっこは崖からずれ落ちて いる。奇妙な形にテントも捻じ曲がっている。しかし時々目を覚ましながらも3時間ぐらいは続けて寝れた。快適かもしれない。

12日、朝から雨が降り出す。無線連絡の末、焚き火から撤退。丁度出発する時間に雨がつよくなり、敗退決定は実はほっとした。しかし、ベースキャンプに帰 り着いた頃には雨もやみ、もう後悔していた。夜、腹痛で30分ほど、トイレでみなの前から消えたら、消えている間、脱走したと思われていたらしい。

13日、雨、停滞。勝山、誕生日。米山さんから、ジーンズカルパス、焼きチーズをもらう。

14日停滞。I葉さんがすきやきを持って登場。

115日、雨停滞。午後まで寝たら調子よくなる。M原君下山。風邪薬をI葉さんからもらう。夜、シチュー、明日は天気予報からすると再度挑戦の日。

16日ルートを緑の台地まで伸ばす。D滝の滝壷に行くために必要不可欠なルート工作だ。
6時に出発し、焚き火テラスを通り抜け、前回のアタックで張ったゆるゆるのFIXを頼りにトラバースピッチを進むが、一日中日の差さない草付きの壁は油断 を許さない。足を置いたとたんつるっとすべるので、ぼろぼろのハーケンに鐙を架け替えて進む。背中のカメラが辛いところ。トラバースを進むスピードが上が らず、思いのままに撮影ができないのがもどかしい。トラバースのピッチの終了点についた頃には、既にルート工作隊は、斜め懸垂を終わりかけていた。急いで カメラを取り出し、撮影。その後、水際バンドに降りた二人のルート工作をカメラで追う。水際バンドは、ゴルジュのおくそこ、一日中、水しぶきを浴びる。ビ レイを続ける竹田さんはそこに3時間もいた。T田さんはこの日に疲労困憊し、翌日はアタックには不参加になった。

12時30分、凹角左の人工ピッチに取り掛かるが、前進用ボルト打ちのため、時間を大量に消費する。このピッチをリードが終了したのは、既に2時半。帰還 が危ぶまれ時刻だったが、何も出来ないので撮影を続ける。この間、I葉さんがトラバースピッチのルート整備をしてくれた。チロリアン設置のため、T田さん が、二本のスタティックロープをバックロープに引いて、ピッチをフォローする。T田さんが、ピッチを登り終えたのは、3時半。雨がひどくなりだし、非常に 危険な状況。降水確率は10パーセントのに、天気予報を恨めしい感じだ。若干の支点整備をして、志水さんからチロリアンで帰還。チロリアンの起点に3人が 到着をしたのはすでに4時過ぎ、雨もはげしく、トラバースは危険な状態、何度か足場がくづれ、ゴルジュへ落ちていく中、トラバース終了点で、I葉さんが照 らす、へッ電の中の焚き火へユマーリングし、無事帰還。米山さんを加えて5人でビバーク。雨が激しく、翌日のカメラの状態が心配される。テントの中では5 人では寝れないという雰囲気が漂っていたが、無理やり寝てみると寝れないことがわかった。しかし、奴隷船状態、湿気もすごく最悪のビバーク。

17日アタック。天候は申し分なく、雲ひとつ無い快晴。しかし、やはり前夜の雨でカメラのレンズに結露が生じ、半時間掛けてバーナーであぶって乾燥させ る。完全乾燥完了後。チロリアンへ向かう。当初I葉さん先頭、チロリアンをぴんぴんに張り、ここまでびんびんに張っても大丈夫と言うことは一人の体重ぐら い大丈夫だろうと、勝山先頭でチロリアンブリッジを渡る。難航する。途中何回もロープにぶら下がって休息をとる。渡りきり、セルフビレイを取り。荷物を二 つ受け。その後、I葉さん到着。勝山は撮影にはいる。さらに荷物。そしてS水さん到着。フラットソールを沢靴に履き替え、緑の台地を横断。緑の台地は落石 と思われる石の堆積と掴めばすぐちぎれる草ばかりの台地で快適とはいえない。下降支点を工作するS水さんを撮影。1時10分、S水さん、下降開始。しか し、空中懸垂に移り変わるところで、わりと長時間の撮影してD滝下降に移ったため、すでに撤退時間がないと判断して、HDカメラは空中懸垂に移り変わる地 点で引き返す判断をした。Y山さんは撤退を開始し、I葉さんは緊急時のため待機。勝山、HDカメラを持って下降。途中で撮影。ここで無線マイクを通じて、 S水さんから「もう降りてきているんでしょうか。早く降りてきてもらわないと撮影も始められないので困ります。尚降りるときは上流側に降りてきてくださ い」とずっと言われつづけ、大声を発しても滝壷の轟音で伝わらないので、急遽降りることに。下降は、15メートル緩傾斜帯その後、15メートルの空中懸垂 で、D滝下へ。下降地点は、剣沢の冷たい水に磨かれたつるつるのスラブ。しかも濡れている。S水さんのいる10メートル上流の川原を確認したが、滑って進 めない。S水さんはどうして行ったんだろうと思う。ロープを緩めると下流に流されそうでどれくらい緩まるかの判断が難しい。なんとか這いづって進み、最後 はS水さんに引き上げられ、平らなところへたどり着いた。ここから撮影開始、すごい水しぶきでレンズが一瞬で曇るのをタオルでふきふき撮影。しばし撮影の のち、撤退。空中ユマーリング。荷物を残置し、ユマール。緩傾斜に移るところで、荷揚げ。I葉さんが途中まで降りてきていたので、志水さんの荷揚げを代 わって貰い、自分はさらに上に上がる。2時過ぎ、撤退を開始。奇跡的速さで4時に焚き火テラス。5時剣沢平到着。無事の帰還を米山さん待ち受け撮影。

18日:7時発、I滝上部などのロープ回収。7時42分、I滝下で時計を見る。I滝にはもうすでに日の光があたり、しかもその左半分はもう陰になってい た。速めにユマールし、焚き火テラスへ。空身だと身軽に感じる。S水さん、I葉さんがロープを回収してくるのを、焚き火テラスしたの草付きレッジでずっと 待つ。寒く、足が凍える時間だった。ゴルジュのうなりにも最後の最後に慣れてしまった。焚き火テラスで回収されたロープをザックに詰め、駆け降りるように 懸垂下降。
荷物はロープなのでどこにぶつけてもいいと思うと速く降りられた。

19日:朝、6時半発で太陽の光を浴びるI滝の撮影。7時15分から8時近くにわたりI滝全身が日の光を受けて輝く。すばらしい景色。剣沢にてS水さんイ ンタ。しかしとうとう自分のカメラにも湿気によるスラックが生じた。エラーナンバー142:マニュアルが手元に無いので詳細がわからないが、カメラをバス バーナーであぶるという奥の手を使い何とか復旧。その後、十字峡まで歩荷。

20日 FIXロープ回収しながら、十字峡へ向かう。北尾根の取り付きで最後の4本のロープを回収することに、Y山さん、S水さん、ロープ回収。十字峡・ 作廊谷出合で一休み。最後の荷下げは非常に重い。その後、人見寮まで最後の歩荷。

21日:最終日 関電・人見寮にて、30分朝寝する。食堂はだれもいない。一人食ってまた、寝る。文明のすばらしさを感じる。午前中、荷物の整理、昼、弁 当、午後、上部軌道にて欅平、黒部峡谷鉄道経由、宇奈月へ車にて富山市内、食事して終了。


関電上部軌道


スノーブリッジ


十字峡


剱沢平へのルート


剱沢平から見た剱沢
この奥に大滝がある


焚き火テラスへのルート


I滝左岸の岩壁


焚き火テラス


焚き火テラス〜緑の大地