日原川 小雲取谷+α
Date: 2003.11.8
Members: L.安藤、他2名(ぐみ&マヨ姉)
Area: 奥多摩
Type: 個人/沢
●記録(記/ぐみ)
前夜22:20両国をぐみ号で出発。渋滞もなく順調に日原方面へ。工事中だったため、日原林道終点まで行けずに八丁橋で幕営。夜中に到着したのは私達だけ
だったので、キャンプ用バカテントで楽しい快適生活ができた。猿が時折騒ぎ「コワイよ〜敵じゃないよ〜」と思いつつ就寝。
11/8(土)
7:00出発予定だったが、寝坊して8:00出発。今日は11月とは思えないくらい暖かい。3人で楽しいおしゃべりをしながら、11:00小雲取谷出合
発。出だしから2〜3mの小滝が連続していて楽しい。“カズオくんイテテpoint”はどこだろうと思いながら、のんびりと谷を楽しむ。大きな滝やロープ
を使う場所はなく、倒木の乗っ越しにエンヤコラしてる程度。でも話の通りスリッピーなところが多かったので、慎重に高度を稼ぐ。私はなぜか足元がおぼつか
ずバランスが悪い、しかも腰痛悪化でふんばりがきかず歩みがトロイのだが、あんちゃんの暖かさとマヨ姉の底抜けの明るさに救われて楽しい遡行が続いた。
奥多摩の谷はよく鹿くんや頭蓋骨に会うのだが、今回はイノシシくんに出会った。私達の姿をみて、母イノは上部へ逃げて行き、ウリボウは母イノを追いかけて
行く。「うわ〜落石よこすなよ!」と思いつつ野生生物の登場に感謝!これぞ山の醍醐味。水流が少なくなってくると、今度はキレイな苔地帯がつづく。小川谷
の滝谷や犬麦谷に行った時にも思ったが、奥多摩(奥の方)の谷は苔が本当にきれいで、緑が鮮やかで心が和む。原生っぽい雰囲気が満載で、人もあんまり居な
いので自然を満喫することができる。ヤブ漕ぎも少ないし。
13:50、小雲取山直下の登山道着。野陣尾根経由で下りるが、途中の立木にクマくんの爪跡発見。新しいぞ・・・って事で、あえて大声で笑い話をしながら
歩みを進め、17:00に八丁橋着。マヨ姉と一緒だと笑いっぱなしなので、クマよけの鈴なんて要らないのだ。
それから氷川に出て"もえぎの湯"に寄ったのだが、待ち時間40分の表示にウンザリして諦める。スーパーで買い出ししてから、手配しておいたO山岳会所有
の小屋へ移動。快適な小屋を貸していただいたことに感謝!
参鶏湯を食べながら質素な酒宴の準備をしていたところ、大先輩のTちゃんが大量のにぎり寿司持参で登場。同じく大先輩のHさんも酒を差し入れてくれたた
め、一気にゴージャスな宴会になった。これまた感謝!
八丁橋8:00---唐松谷出合9:15〜45---小雲取谷出合10:55---小
雲取山直下13:50〜14:05---野陣尾根を経て唐松谷出合15:55〜16:05---八丁橋17:00
☆★おまけの+α★☆
11/9(日)は恒例の遭対事業(奥多摩パトロール)に参加。
遭難防止活動の一環として、毎年この時期に奥多摩の各山頂で登山者へのアンケート調査を実施している。今年は13名のスタッフが朝の奥多摩駅に集合し、御
前山/大岳山/岩茸石山に別れて調査を行った。この時期には珍しく天候が優れないためにどこも登山者が少なく、10:30からの約2時間で3つの山頂合わ
せても90程度。更に駅前で30近くを回収しただけで終わった(例年の3分の1程度)。
ちなみに天気は大岳山と御前山間の大ダワで終始雨。でも雲海を抜けると大岳山頂は半袖OKのギンギラギンに晴れていた。お昼になって霧が沸き、見事に山頂
の青梅側だけが雨となった。つまり五日市側にいれば濡れない変な現象だった。
終了後はいつものようにビジターセンターに集合して、金さんを交えて反省と総括を行った。なお、このアンケートは関西大学の青山教授の研究によるもので、
集計ののちに傾向を分析して遭難防止に役立てるとの由。
8:00〜30奥多摩駅=9:00大ダワ---10:15〜12:45大岳山---
13:40大ダワ=14:10〜15:10ビジターセンター
感想
マヨ姉(白沢真弓/Bush山の会)
少々荒れてはいましたが、明るい沢でした。
林道が長いというのはガマンガマン。
お友達と世間話に花を咲かせてやり過ごせます。
だからお話ができるお友達と行きましょう。
ぐみ(高津久美/Crux Alpine Club)
久々にのんびりと自然を愉しむ山行ができました。あんちゃんに感謝っ。
奥多摩の奥の方は、苔の緑が美しいので心和みます。チーム熊鈴なんて必要ナシでした。
翌日は大岳山にアンケート調査員として入山。霧の中歩いていると、ヒノキの香りがしてくるし、天気が悪いとの予報で人気もまばら。静かな山歩きも良いもん
だ。
早く腰痛なおさねば…。
安藤
ボランティアを兼ねて紅葉見物でもと、まずは会のMLで勧誘してみたが見事なまでに無
反応だった(世間の風は冷たい)。とは言うものの朝の奥多摩駅に集まってみると、確か前日は湯河原幕岩に行ってたはずのママ(S山岳会)も来ていて「昨日
は九十九も大勢で頑張ってたわヨ」なんて報告を受けたら、それだけでなぜか少し嬉しくなってしまった。単純である。
それにしてもママ/ぐみ/マヨ姉は、先日も女5人で韓国のクライミングを楽しんできたばかり。ジャンダルムのHPにケイちゃん(K山の会)の報告が載って
いたので、仁寿峰(インスボン)に興味のある方はそっちも参照されたし。しかしまったく、どこの山岳会も女子はみんな底抜けに元気だよなぁ・・・。
それと今回はメンバー全員が山の救急法を心得ていたために、ひときわ安心して沢登りを楽しめた感じ。これからは重荷を背負えるだの早く歩けるだの、岩登り
がうまいだの山歴や会員歴を振りかざすばかりでなく、救急法やビーコン捜索等の習熟度なんかも、山ヤの新たな資質条件として問われる時代が来るのだと思
う。またそうでなければならないと思う。
なぜなら、当会の合宿や会山行が既に趣向別個人山行の集合体でしかない現状では、もはや山岳保険を除いて遭難に対する会のバックアップ体勢に過度の期待は
できないからだ。つまり有事の際に頼りになるのは事故現場に居合わせた人間だけであり、それだけ遭難対策は各パーティや個人の責任に委ねられる割合が多く
なるという図式。だからこそもっと「セルフレスキュー」を普及させて欲しいんだけどな・・・。
=心の重荷が少し解けた話=
毎年このアンケート調査のあと、ビジターセンターにスタッフ全員が集合して、近くの交番に勤務する金さん(=青梅警察署山岳救助隊副隊長/当会創立40周
年記念式典でも記念講演をしていただきました)を交えて総括を行うのだが、今年はいつになく金さんにお逢いしたら真っ先に溜飲を下げておきたいことがあっ
た。
一昨年の夏、日原の奥の天祖山で行方不明になったIさんが、この8月にちょうど丸2年ぶりで発見された(詳細は「あびえす」9月号「奥多摩登山考58」参
照)。その顛末を、Iさんの収容にあたった金さんの口から直接伺いたかったのだ。
2年前は個人的な出動を含めて、僕ものべ9日間に渡って(奇しくも記念式典の当日にも)都岳連救助隊の一員としてこの捜索に加わった。当のIさんとは全く
面識もなかったけれど、そのたびに八丁橋の登山口で待つご家族に成果を報告するのがたいへんつらかった。特に20代半ばと思われる下の娘のN子さんはお母
さんっ子だったようで、逢うたびに疲弊してやつれて行くのが傍目からでも容易にわかった。
朝の登山口では気丈な笑顔を作って「私にはこんなことしかできませんが、よろしくお願いします!」と我々にドリンク剤などを差し入れてくれたりしていた
が、夕方になって何も手掛かりが無かったことを知ると、毎回決まって人目もはばからず肩と膝を大きく震わせてはその場(泥んこの林道)に泣き伏してしまう
のだった。たぶん立っているのがやっとだったのだろう。それを見たら誰だって、崩れ落ちるその両肩を思わずギュッと支えてあげたくなったはずだ。それでも
事務的に接しなければならないのが何より心苦しかったし、いくら目は背けられてもあの嗚咽がどうしても耳から離れず、捜索から帰宅した夜はなかなか寝付け
なかった。
過ぎてしまえば早い2年間だったが、ご家族には永久の断腸だったろう。このたびIさんはおおかたの予想を覆す地点で発見された。発見現場付近は僕も捜索を
担当した範囲だっただけに悔恨の情は否定できないけれど、ともかくこれでご家族も何らかの心の区切りを付けられたのではないかと安堵している。今はただ、
N子さんがごく当たり前の日常生活を精一杯生きてくれていればいいなと願うばかりだ。
以上