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九十九山の会 戻る


宝剣から右に落ちる
スカイラインが中央稜


2ピッチ目。ワルイ。


3ピッチ目終了点


オケラクラック


高度感たっぷり


木曽駒山頂にて縦走Pと


ルートを愛でながら下山

宝剣岳中央稜

日程:2006.08.19-20
メンバ:L.吉法, TI, 勝山, MN
山域:中ア
山行形態:  会山行/無雪期/バリ

18日
東京組は新宿22:00集合。集合場所の菅の台バスセンター駐車場は、インターチェンジを降りて5分もかからず着くので行き過ぎに注意。深夜3:00、東京組、名古屋組、富山組が集合。立ったままビールを一缶呑んですぐさま寝る。

19日
気合の5:30起床。既にバス停には50人からの行列。高原バスは、富山の黒部立山アルペンルートよりも素朴だ。臨時バスが頻繁に出て、ほぼ予定通りバス~ロープウェイと乗り継げた。ロープウェイは、大変な急角度で登っていく、下を見るのが怖いほど。千畳敷カール駅は、赤茶色の建て物で、崖の端っこに建っていて、よく冬も持ちこたえているなと思わせる。アルペンムードいっぱいの千畳敷カールから宝剣岳を見上げると、すっきりと中央稜がスカイラインに浮かぶ。宝剣岳は、子供のころは何時間歩いても全然着かなかった記憶があったが、今回は一時間もかからないで着いてしまった。

宝剣岳東面の岩場は、雪渓が残る時期は直接取り付けるらしいが、今は高山植物満開で登山道以外立ち入り禁止なので、宝剣岳頂上から懸垂下降して取付きに行かなければならない。

千畳敷ホテルからルートを見ながらテクテク登り、宝剣小屋に荷物をデポ。登攀用具だけ担いで宝剣岳頂上に立ち、ハーネスを着けて5ピッチ下降する。最初は分かりやすいが、最後のピッチ(つまり登攀1ピッチ目)は判然としない。立派なビレイ点から壁を向いて左側へ下降した。

取付きと思われる場所から 12:00 登攀開始。吉=勝、板=野でアンザイレン。

1ピッチ目、吉リードで正面潅木帯に沿って登ってみたら厳しくなって痛恨のロワーダウン。残置ハーケンは所々あるが、どうも違う。続いて野リードでもう少し右側のハング下のフェイストラバースにトライ。苦戦しながらも見事突破。同時に吉もさらに右側のブッシュ帯沿いに登り、同時にビレイ点に到着。中央稜に関する様々な記録内容とは微妙に食い違う1ピッチ目であった。ブッシュは多いが、残置のピトンはほとんどない。ここなのだろうか。それとももう少し左か?右か?30m。

2ピッチ目、勝・板リード。勝はビレイ点真上のカンテを右に越して直上するが、記録にある快適フェイスは無くて苦しい展開となり、最後は進退窮まって石楠花のブッシュにデッド気味に飛び込んで何とか切り抜け、藪をかき分けて登る。板はビレイ点から左上し、フェイスを左から巻いて、その後A0で右へトラバースして勝と合流。直上してテラスになったところで、少し左に行くと残置した懸垂下降の支点が現れ、一安心する。多分正解はビレイ点から直上していくのではないか? 40m。

3ピッチ目、吉・野リードで、出だしの少しかぶった部分で1ポイントのA1を使い、凹状を直上。その後の新しいリングボルト2本が打たれているカンテ風なところが露出感もあり快適。フォローの勝・板はフリーで突破。30m。

4ピッチ目、カブリ気味の凹状~オケラクラックを勝・板リード。勝はレイバック気味に登っていった。右のフレークがうれしいガバ。その後ピナクルの頂きに出るので、ピナクルと岩の間を両手を張りながらズリズリと登り、クラック下部の岩のガバをつかんで、ハイライトのオケラクラック。キャメロット#1ぐらいの広いクラックを足ジャムと観音開きで登る。30m。

5ピッチ目、快適な岩場と歩き。45m で山頂に到着。

全員登りきったら 18:00。予想外に悪かった。特に1~2ピッチ目。全体的に残置ピンは多いがボロイ。体重をかけるとグニャリと曲がる奴もあった。カムは大きめのものが4個ぐらいあれば安心。エイリアンは使わなかった。

予定よりかなり遅くなったので、縦走Pの中と佐が様子を見に来てくれた。急いで撤収、デポザックを拾ってテン場へ。縦走Pの隣にテントを張って、晩飯は肉団子と野菜スープ。食事もソコソコにビールをあおった。食後、縦走パーティーもいっしょに一つのテントで飲む。鮭トバあり、隣のテントからの差し入れのよかいち、チーズタラもありでツマミにことかかない。話にも花が咲いたような気がする。

20日
5:30起床。朝飯前に木曽駒へ散歩。記念撮影などする。槍穂や御岳山が雲海に浮かぶ。テントに戻って具沢山うどんの朝食。撤収してノンビリ出発。中岳の登りで斎に会う。早い、そして爽やかだ。宝剣岳へ向かった縦走Pを宝剣山荘で待ち、一緒に下山する。

自分たちの背後の宝剣岳を何度も振り返り、登ったルートをああだこうだと言いながら歩く。ハイマツが生い茂るようになると、チングルマの綿毛が群落をつくっていた。樹林帯にはいると、花の数が増える。森の妖精といわれるゴゼンタチバナ、糸のような花びらがたくさんつくカラマツソウ、小さい花がたくさんつくカニコウモリが群落をつくっていた。また、夏におわりを告げるというトウヤクリンドウも見ることができた。ふしぎな形をした白い花を咲かせるエゾシオガマもたくさん見ることができた。

花を見ると立ち止まり花談義をしながら歩いたので、縦走パーティーとの距離はどんどん開いたようだ。また、このとき、ウスユキソウの仲間だと僕が騒いだ花はウスユキソウではなかったことが後で判明、結局、図鑑を見てもいまだにわからない。

さらに標高を下ると、うっそうとした森となり、花もあまり見られなくなった。最後の1時間半は黙々と歩き、午後1時20分頃バス停についた。すぐに臨時バスが来て、駐車場で縦走Pと合流。こまくさの湯でみんなで風呂。テレビでは駒大苫小牧と早稲田実業の試合をしていた。延長に入ったところでテレビの前を去り、食堂でソースカツ丼を食べながら精算。食べ終わってもまだ、試合は続いていた。この日は延長15回で再試合となったと後で知った。

参考) 岳人 2003年9月号、日本登山大系8